近頃は、和室の在り方や畳の在り方も年々変化しており、
和室を設けていないお宅も増えてきておりますが、
皆さんのご自宅には和室、畳のお部屋はありますでしょうか。
今回は、この季節だからこそできる畳のお手入れのお話を少し、と思っております。
お手入れと言っても、今回はお掃除ではなく、
カビを寄せ付けない、繁殖させないためのお手入れです。
カビのお手入れと言えばジメジメとした梅雨の時期を思い浮かべますが、
これだけ暑い日が続きますと家も汗をかくことがあります。
外出先から帰宅すると家の中がじっとりとしているように感じることはないでしょうか。
このようなことが続きますと、空気がこもっているお部屋の隅などにカビが生えることがあります。
気密性が高いマンションの浴室などは、
うっかり換気を忘れると生乾きのようなにおいが発生し、
カビの繁殖を感じることなどありませんか。
浴室は洗剤やカビ取り剤を使ってカビを洗い流してしまえばサッパリしますが、
畳のように繊維の奥でカビ菌が発生してしまっている場合、
カビの胞子が育っていることや、舞っていることに気付かないまま過ごしてしまうこともあります。
カビはアレルギー症状やアトピーを引き起こす原因のひとつでもありますので、
早め、早めに手を打っておきたいところです。
カビのお手入れに重宝するのはエタノールですね。
エタノールと雑巾を用意したら、
まずは、お手入れの前に畳の素材を確認しておきましょう。
通常、畳は天然素材の「い草」で作られておりますが、
最近は天然素材と人工素材を使った畳もあります。
人工素材が使われている場合は、
購入時などに確認されているお手入れ方法でお手入れを行ってくださいませ。
通常の「い草」の畳の場合はエタノールの原液を使ってお手入れをします。
まずは、掃除機を使って畳の目に沿って普段よりも気持ち丁寧にホコリやカビを吸い取ります。
特に空気の逃げ場がなく溜まってしまうような場所は念入りに吸い取ります。
この時に、カビを発見した場合は、
ブラシなどを使って畳の目にそってカビを掻きだすようにして取り除き、掃除機で吸い取ります。
掃除機をかけ終えたら、エタノールの原液を染み込ませた雑巾で、
エタノールを畳の目の奥に染み込ませるようにして畳を拭いていきます。
私はズボラなため、エタノールを気持ち多めに畳に直接スプレーし、
雑巾で素早く塗り広げながら染み込ませるようにして畳を拭いています。
肌が弱い方は手荒れをしないようにハンドクリームを塗っておいたり、
お掃除用の手袋をするなどしてお肌を守ることもお忘れなく。
畳を拭きあげたら、窓を開け放って換気をしながらエタノールを蒸発させます。
梅雨の時期や雨の日にお手入れをしますと、完全に乾くまでに時間がかかり、
しばらく気に掛けなくてはいけませんので、
窓を開けておくだけで畳の奥まで素早くカラリと乾く、この時季のカビケアがおすすめです。
エタノールが蒸発し、畳が完全に乾きますと、畳の表面がサラッと軽やかになり、
畳の気持ち良さ、心地よさを再確認できるかと思います。
今はライフスタイルなどの変化によって、
畳の陰干しなどを行う方も少なくなっていると思いますので、
このような畳ケアをしておきますと、きれいな畳を長く楽しむことができます。
私も畳の陰干しまではケアが行き届いておりませんので、
年に1度ではありますが、この時季にカビケアをしております。
最近、畳のお手入れをしていないかも。と思われた方は、
夏の終わりのカビケアなどいかがでしょうか。