幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

侮るなかれ、名前のチカラ。

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近所にあるオーガニックショップへ、ジャバラ果汁を求め向かっていたときのこと。

私の目の前には、3人程の女性が一列に並んでいるようにも見える様な状態で歩いていた。

何を考えるでもなく、その様子を眺めながら歩いていると、

細い路地から背筋がやけにピンッと伸びた年配男性が出てきて私の前を歩き始めた。

しばらくすると、その男性が「奥さん!奥さん!!落としたよ」と言いながら

拾ったフリンジチャームのようなものを頭上で振っていた。

私は、その一部始終を見ながら歩いていたのだけれど、

男性が「奥さん」と呼んだ時、目の前の3人の女性たちが一斉に立ち止まって

タイミングよくキュッと後ろを振り向いたものだから驚いたのだろうか。

男性が振り上げた手を下すことができずに固まってしまった姿がとても印象的だった。

 

他人様のパートナーに対して使われる「奥さん」、「奥様」のもとになっている「奥」は、

江戸時代の将軍、大名、旗本といった高い身分の武家屋敷の中にある、

主人のプライベートスペースや奥女中が住まう場所のことだった。

その中でも将軍家は、他との差別化なのだろう。

「大奥」と呼ばれていた。

このようなことがもととなり、江戸では武家屋敷に居る主人の妻のことを「奥様」と呼び、

これが次第に庶民の間にも広がったと言う。

 

この時代から、既婚女性のことを奥様(奥さん)と呼んでいたのだから、

不都合も何もないのだろうけれど、

ある日、友人と甘味処に入り、ひと息ついたときのこと。

友人は、友の名を呼んだ私の目を真っ直ぐ見て、

「あぁ、今日はたくさん名前を呼んでもらった気がする。自分の時間って感じがする」と、

今にも溶けてしまいそうな笑みを浮かべた。

そして、「名前を呼ばれることが嬉しいことだと思うようになるなんて、

私は大丈夫だろうか」と笑った。

「大丈夫、大丈夫、食べよう」

そのようなことを返しながら、二人で小さなプリンが乗った

ちょっぴり邪道で美味しいあんみつを味わったことがある。

 

女性は結婚や妊娠、出産を機に、

名前ではなく「奥様」、「奥さん」、「ママ」、「お母さん」といった

肩書で呼ばれるようになることが多い。

幸せな瞬間のひとつでもあるのと同時に、

本来の自分自身に戻るきっかけを掴めなくなることもある。

以前、女性の肩書について触れたことがあるのだけれど、

女性はライフスタイルや本人の意思に関わらず、様々な肩書で呼ばれるようになり、

いつの間にか、そのような状態が当たり前になり、肩の力の抜き方を忘れてしまうことがある。

自分の名前で呼ばれるということは、些細なことではあるのだけれど、

本当の自分に戻るためのスイッチになったり、

本当の自分と向き合うスイッチになったり、

肩の力を抜くきっかけになることがあると思うのだ。

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ここに足を運んで下さっている方の中に男性がどれくらいいらっしゃるのか分からないけれど、

最近パートナーのことを名前で呼んでいないかも。

そう思われた方は、パートナーのことを名前で呼んでみてはいかがでしょうか。

女性同士も、苗字や肩書、○○さんの奥さん、○○ちゃん(くん)のママではなく、

親しみや尊敬の気持ちを込めて名前で呼び合うことがあっても良いのではないでしょうか。

湯船の中で自分で自分の名前を呼んで、

1日の頑張りを褒めてあげるのだってアリだと思うのです。

侮るなかれ、名前のチカラ。

大切な人や自分を癒すきっかけは、すぐそばに。

今日も皆さんと、皆さんの大切な方々がHappy&Smileでありますように☆彡

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