幸せのレシピ集

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プリンセスアリエルのお父さんはマンホールの蓋!?ってどういうこと?

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年末の大掃除も兼ねて古い写真を整理していたら、

“真実の口”の名で知られているモニュメントの前で撮った写真が出てきた。               

幼い自分を懐かしく思いつつ、

教会の奥に設置されていた真実の口を間近で見るために並んだ当時のことを思い返した。

“真実の口”と言われる所以は、

このモニュメントの口部分へ手を差し込んだとき、手を差し込んだ者の心に偽りがあれば

手を食いちぎられてしまったり、手が抜けなくなる、といった言い伝えがあるからだ。

この言い伝えが世界中に広まったのは、

オードリー・ヘプバーンで有名な『ローマの休日』内のワンシーンがきっかけだろうか。

ローマにある教会(サンタ・マリア・イン・コスメディン教会)の奥に丁寧に飾られているため、

何か特別な意味があって飾られているのかと思いきや、

もともとは、今で言うところのマンホールの蓋として使われていた可能性が高いそうで、

どうして教会に設置されるようになったのかまでは解明されていないという。

それでも多くの人々が、この地を訪れて記念撮影をしていくのだから、

映画の影響は大きいということなのだろう。

私は、“真実の口”よりも、この教会の様々な色や形や大きさの大理石で作られた

幾何学的な緻密な柄のモザイク床の美しさにハッとした。

随分と古い教会だと聞いた記憶があるのだけれど、

その時代に大理石を加工してパーツを作る技術や、

そのパーツを使って装飾床を作る技術があったことの方が強く印象に残っている。

そして、以前、バレンタインデーの起源に触れたときに登場した

恋人たちの想いに寛大だった聖バレンチノの頭蓋骨が収められている聖骨箱があるのも、この教会だ。

どうしても“真実の口”がメインになってしまいがちなのだけれど、

この教会は見どころ満載の場所だ。

 

当時、この場所を案内してくれた知人に真実の口は画像や映像で目にしすぎていたせいか、

期待値が上がってしまっていたせいか、少し物足りなさを感じると発したところ、

このような話をしてくれた。

この真実の口に彫られているお顔は、ギリシャ神話に登場する海の神トリトンなのだと。

トリトンは海の王であるポセイドンの息子で、

彼のお仕事は、ポセイドンの横で海を鎮めるホラ貝を吹き鳴らすこと。

厳ついお顔付きではあるけれど心優しい性格で、

荒れた海に舵を取られてしまいそうな船を見つけるとホラ貝を吹き、海を鎮めてくれるのだとか。

トリトンの目印として、このホラ貝が描かれることがあるのだけれど、

ホラ貝の他に三叉槍(さんさそう)と呼ばれる槍の先が3本に分かれている槍を持っていることもある。

この三叉槍は父であるポセイドンも持っているため、

三叉槍を持った像を目にされた際には、

ポセイドン?トリトン?という視点で見てみるのも面白いのではないだろうか。

 

“ギリシャ神話に登場するトリトン”と言う前置きをしてしまうと、

何だか小難しい!と思われる方もいらっしゃるかと思うのですが、

ディズニーアニメのリトルマーメイドに登場するディズニープリンセスのアリエルのお父様が

このトリトンです。

そして、このアリエルのお父様がマンホールの蓋のデザインになり、

“真実の口”としても世の中の人々に知られています。

このように、様々な角度から見てみるとギリシャ神話の中の登場人物も、

意外と私たちの身近なところに潜んでいたり致します。

“真実の口”よりも、ディズニープリンセスのアリエルを目にする機会の方が多いかと思いますので、

目に留まった際には、ちらり、今回のお話を思い出していただけましたら幸いです。

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