月に1、2度、フラワーショップへ足を運ぶ。
少しだけヒンヤリとしている色鮮やかな空間に足を踏み入れると、
全身にフレッシュな空気がチャージされるようで心地良い。
店員の方と言葉を交わすようになると、
花が咲く過程を楽しむことができる鉢花を育ててみればいいのにと言われることもあるのだけれど、
正直なところ、鉢植えのものは、手がかからない観葉植物だけで手いっぱい。
何ごとも無理は続かない。
だから、差し色となる花は、切り花を楽しむくらいが今の私には丁度良いのだ。
それに、フラワーショップへ行く口実ができるおかげで、あの空間を楽しむこともできるのだから。
その日は、可愛らしいスイートピーが店内のいい場所を占領していた。
その場所から広がる甘い香りは、
蝶やハチだけでなく人間までもを引き寄せてしまう魅惑の香りだ。
買って帰る花の目星は既についていたのだけれど、
思わず真っ白なそれを1本だけバケツの中から引き抜いた。
可憐なルックスをしているのに、これだけダイナミックに香りを放つのなら1本でも十分。
そう思わせる存在感があった。
名前は忘れてしまったのだけれど、スイートピーは確か、
いつぞやかの時代を生きたイギリス王妃が愛した花だったように記憶している。
その名残からなのかイギリスのフラワーショップに並ぶスイートピーの品種はとても豊富だった。
ただ不思議と、スイートピーを目にしても、
日本に居るときのように強くは「春」を感じられなかったことに戸惑いを覚えたこともある。
帰国して思ったのだけれども、あれはきっと、
イギリスという場所がまとう春の空気と混ざり合ったスイートピーの香りが、
私が慣れ親しんできた日本の春の空気と混ざり合ったスイートピーの香りが異なっていたからなのだろう。
私が感じていた以上に、知っている以上に、
日本の四季は特別なものだということを体は知っていたのかもしれない。
幸せのレシピ集の中では時々、フラワーセラピーやカラーセラピーにも触れているのですが、
甘く柔らかな香りを放つスイートピーは、
身体の緊張をほぐし温め、
不安からくる不眠を解消してくれる効果が期待できる花だといわれております。
ヨーロッパでは安眠と女性ホルモンを整える花として、
ピンクのスイートピーをベッドルームに飾る方もいらっしゃいます。
色で迷ったらなら、ピンクを選んで更にリラックス効果を高めたり、女性ホルモンを整えるもよし、
イエローを選んで、ストレスや胃腸の不調を緩和するもよし、
カラフルな季節がやってきました。
様々な視点で、お花にときめいてみてはいかがでしょうか。