インフルエンザを治すための新薬の発売が始まったとのこと。
誰もが患う可能性が高いインフルエンザだからだろうか。
それとも、最先端の薬を必要としている人のもとへ早く届けることを目的に
厚生労働省が設けた「先駆け審査指定制度」が適用された初めての薬だからだろうか。
他の新薬と比べると、ニュースとして取り上げられる回数も多いような印象を受ける。
インフルエンザの薬と言えば、タミフルを含むいくつかの薬があるけれど、
新薬のゾフルーザが注目されているのは、その効き方に違いがあるのだそう。
インフルエンザウィルスは鼻や喉の粘膜に入り込んで細胞の中で増殖し、
更に別の細胞の中に入り込んでは増殖するということを繰り返しながら、
体中をウィルスで満たして人体にダメージを与えるのだけれど、
これまで使われていたインフルエンザの薬は、
細胞の中に入り込んだウィルスを細胞の外に出さないよう閉じ込めることで
元気な細胞がインフルエンザウィルスに感染することを最小限に抑え、
体中がウィルスで満たされないようにしながら体を治す仕組み。
これは、言い方を変えると、
インフルエンザウィルス感染の拡大は抑えることができていたけれど、
ウィルスそのものは、入り込んだ細胞の中で増殖し続けていたということ。
体内では、こうしてウィルスと薬(と本にの体力)との攻防戦が繰り広げられるため、
完治させるためには、ウイルスの装飾を上回るほどの力が必要となり、
タミフルであれば1日2回、5日間ほどの連日服用が必要だった。
一方、今回のゾフルーザという薬は、インフルエンザウィルスそのものの増殖を止めるというもの。
細胞の中でも増殖させないということは、
インフルエンザウィルス感染の拡大を抑えるだけではなく、
やっつけるべきインフルエンザウィルスが、細胞の中で増え続けることがないため、
インフルエンザが完治するまでにかかる時間を大幅に短縮できるのだそう。
そして、薬の服用も一度で済むそうで、薬を服用する煩わしさからも解放されるとのこと。
インフルエンザの症状が一瞬で軽くなるということではないのだろうけれど、
インフルエンザウィルスを増殖させないため、
症状が緩和し治癒するまでに受ける体のダメージも随分と抑えられるようだ。
薬の力を借りることなく、体に余計な負担をかけることもなく、
健やかに過ごすことが一番だけれども、自分の力だけではどうにもならない時もある。
化学や医療の進歩は、必要としている人にとっては救世主で、
必要ではない人にとっては、もしもの時のためのお守りなのかもしれない。
今日も、ここへ足を運んでくださった皆さんと、
皆さんの大切な方々が健やかでありますように☆彡