人との出会いが交差し、ワクワクとドキドキと緊張が入り乱れる4月は、
人間関係に関する思いを耳にする機会が増えるように思う。
きっと、多くの方が大なり小なり抱いている思いだ。
ワクワクとドキドキと緊張が入り乱れるような状況に置かれていない方であっても、
これまでの人生の中で、幾度かは経験したことがある類の感情だろう。
その中でも、自分の意志から始まる環境や仕事、趣味やその他の要素介して関係を築いていくのとは少し異なる、
子どもという共通点を介して繋がる親同士の関係には、特殊な難しさがあるように思う。
特に、親が子供に同伴する時間が多い子育て中の女性の人間関係は、
プレッシャーを感じる場面も多いのではないだろうか。
様々な考え方や思いがあっても良い、そのようなものだと分かってはいても、
子どもにくっつくようにして生まれる人間関係は時に、
自分の意志やペースとは関係なく、
関わり合いを深め合うことを求められるように感じる場面もあり、
自分自身に妙なプレッシャーをかけてしまうこともあるように思う。
単純に自分だけの関係であれば、
自己責任で程よい距離を取ることも、関係や付き合い方などを調整することもできるけれど、
子どもを介してできる関係には、子ども同士の関係、子どもと学校、親と学校との関係、
地域との繋がりや、母親同士の関係など、その距離の取り方も、適した距離感もひとつではないため、
配慮しなくてはいけない人間関係が複雑に交差し、神経を使うことも多い。
もちろん、子どもをきっかけにして、
一生お付き合いし続けられる貴重な出会いに遭遇することもあるけれど、
きっと、そのような関係は非常に貴重な出来事のように思うし、
それが分かるのは、ある程度の時間が経ってからだろう。
友達のように振舞わなくてはいけないプレッシャーが無くなった時、
言い方を変えると、可もなく不可もなく振舞えるようになったとき、
今度は、そうしている自分に罪悪感を抱くという声を聴くこともある。
そのような思いに触れる度、
女性の長所のひとつでもある共感力という名のセンサーは、時に利きすぎるものだと思うし、
まだまだ自分の手を必要としている子育ての最中だからこそ、
そのセンサーもとびっきり利いてしまうのだろう、とも思う。
本当は、誰もが同じようなことを思いながら日々を過ごしているのだけれど、
つい肩に力が入りすぎてしまうこの時季は、なかなかハードである。
もし、新たに身を置くことになった環境の中で不安や戸惑いを感じることがあったなら、
目の前にある、ひとつ、ひとつの瞬間を楽しんで、
有意義なものにすることだけに集中してみてはどうだろう。
先のことを心配し過ぎたり、数日前の失敗を抱え込み過ぎたりせずに、目の前の時間をひとつずつ。
そうして重ねられた時間が、気付けば素敵な関係や温かい関りを作っていた。ということもある。
もちろん、目の前のことを楽しむためには、
心身ともにエネルギッシュでいなくてはいけないわけで、
そう思うと、食べることも、寝ることも、自分が好きな何かで自分をホッとさせることも、
罪悪感を抱くようなことではなくて、とてもとても大切なことだと思うのだ。
数日前に新天地での不安を漏らした友が、今日は数日前よりも笑顔でいてくれたなら、そう思う午後だ。