思い入れが強い花のひとつである紫陽花を見かける機会が増えて嬉しい、この頃。
近年、母の日に贈る花のひとつとしても、カーネーションと肩を並べるほどの人気があり、
品種も随分と増えているように思う。
紫陽花にはポジティブな花言葉と、ネガティブな花言葉の両極があるのだけれど、
ポジティブなものの中には、「元気な女性」、「辛抱強い愛情」、「家族団らん」、「「家族の絆」、「強い愛情」といったものがあるため、
母の日やウェディングシーンなどでも贈ったり、使われたりする花だ。
今年も、母の日が近づいてきた頃にフラワーショップに立ち寄ったのだけれど、
フェアリーアイと呼ばれる紫陽花の鉢植えが、ずらりと並べられていた。
キュートな名が付けられたこの紫陽花の魅力は、八重咲のミニバラのような華やかな見た目だけでなく、
色の変化と咲き方の変化を楽しむことができる不思議な品種だということ。
この時期、ピンク色をしているフェアリーアイは、夏がくると少し乾いた、涼し気な白っぽいミントカラーに変化する。
夏も終わり秋の足音が聞こえ始める初秋頃になると、今度は、その姿をシックな赤に染め上げていくのだ。
花の咲き方も徐々に手毬のように変化し、重厚な雰囲気を解き放つ。
単に長く楽しむことができるということだけでなく、その時々の季節に馴染みながら、
少女が大人の女性に成長していくような、ドラマティックな変化の虜になる人が多いようだ。
キュートな名を持つ紫陽花は他にもある。
ダンスパーティーというポップな名を持つ紫陽花があるのだけれど、
こちらは、フェアリーアイのような色の変化はないものの、
星型の可愛らしい八重咲の花が弾けるようにして次々と開花し、
まるで花たちがダンスをしているかのような雰囲気を楽しむことができる品種で、最近は、この紫陽花も人気なのだとか。
どの品種も素敵で可愛らしく表情豊かなのだけれど、
私の手が伸びるのは、子どもの頃から慣れ親しんだ、いつもの紫陽花だ。
見方やアレンジによって、和風にも洋風にも変化するミステリアスな色香に、
何度も魅せられて、何度も恋をしてしまう、紫陽花は私にとって、そういう花だ。
そのような事を思いながら道すがら、あちらこちらで咲き始めた紫陽花を目で追っていたのだけれど、
途中、「これってインスタ映えしそう。」と言いながら、
スマートフォンのカメラを道端の小花に向けている女の子たちがいた。
インスタ映えする写真を撮るには、対象物の選択や構図などのセンスも関係してくるのだろうけれど、
それ以前に、彼女たちのように、気づくことができるセンスが物を言うのかもしれないと思った。
話が逸れてしまったけれど、今年も雨の雫をまとう紫陽花を堪能したいこの頃だ。
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