愛用しているスイングボトルがある。
毎日使うものではないのだけれど、その青空と夜空を写し取ったような色に魅せられて、数年前に購入したものだ。
割ってしまわぬように大切に使っているお気に入りなのだけれども、
この手の、口が狭くて中が広がっている形状のものは洗いにくいところが玉に瑕である。
花瓶であれば、洗剤とお湯を投入して振り洗いで済ますこともできるけれど、
口にするものを注ぐスイングボトルや水筒、
液体調味料を移し替えている調味料ボトルといったものに洗剤を使うのは躊躇してしまうのだ。
重曹やクエン酸を使ってみたり、専用スポンジを使ってみたり、
ステンレス製の小さな玉を投入して洗うデキャンタクリーナーを使ってみたりもしたけれど、
どの洗浄方法も、スッキリさっぱりとまでの洗いあがりにはならず、
何か良い手はないものかと数年前まで洗浄ジプシーをしていた。
そのような時、お料理の先生をしている方とお話をする機会があった。
彼女は、古くさいかもしれないけれど、と柔らかく微笑み、卵の殻で洗ってみたら?とアドバイスしてくださった。
卵の殻は万能である。
細かく砕いた粉はシンク汚れや水垢、お鍋やコンロの焦げを落とす研磨剤になるし、
植物の根元や近くに撒いておけば、土壌改良剤になるのと同時に害虫駆除をしてくれると言う。
他にも、殻の内側にある薄皮は火傷薬になるという話の記憶もある。
しかし、何一つ試すことなく過ごしてきていたのである。
私の、そのような心の声が顔に出ていたのかもしれない。
彼女は、「知っているかもしれないけれど、騙されたと思って一度」と言った。
確か、その日のうちに卵を買って帰り、彼女に教えていただいた通り、
軽く洗った卵の殻の水分を拭き、ビニール袋に入れて殻を粉々にし、
その粉と水をスイングボトルに投入して、シャカシャカと振った。
振りが足りなかったのでは?ということを避けるため、1分ほどボトルを振ったように思う。
その後、何度か水ですすいだのだけれど、
ずっと気になっていた汚れと、
洗ったは良いけれど、目には見えない余計なものでボトルの内側が覆われているのではないか、という気がかりが、同時にクリアになっていた。
その後、殻の砕き具合を変えることで洗いあがりが多少変わるような印象を受けたため、
私は、出来る限り細かく砕いで、しっかりとシャカシャカ振り、熱湯消毒で完成させている。
卵の殻によるお手入れも、ここ数年で注目度が上がり、暮らしに取り入れる方が増えている、
環境への負担が少ないナチュラルな素材を使ったお掃除、ナチュラルクリーニングのひとつです。
私の例は、毎日洗う必要がないスイングボトルだったからこそ、使うことができている洗浄方法ですので、
直ぐに活用できるものではないかもしれませんが、
お手持ちの専用洗剤で落としきれなかったとき、落ちにくいと感じたとき、
うっかり専用洗剤やアイテムを切らしてしまっているときなど、
何かしらの暮らしのヒントにしていただけましたら幸いです。
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