先日、輸入調味料を扱う店内で天然塩の味見をすすめられた。
一度はお断りしたのだけれど、良い意味で押しが強い店員にすすめられるがまま、2種類ほど味見した。
あまり心を揺さぶられるような味ではなかったため、
他のお客が足を止めて、店員の説明を聞き始めたタイミングでその場を後にした。
そう言えば先月、9割の食卓塩にプラスティック片が含まれており、
大人1人当たりにして年間2000個ほどのプラスティックの欠片を体内に摂り込んでいる(食べている)というニュースを目にした。
この研究には、世界21カ国で採れた塩が使われており、
食卓塩として販売されている39銘柄を調査したところ、
その9割の塩から、様々な影響を受けたことによって5ミリ以下にまで小さくなったプラスティック(マイクロプラスティック)が検出されたというのだ。
研究チームの話によると、研究に使用した塩の中でプラスティックを多く含んでいた塩は、
いずれもアジア諸国産の塩だったことから、
プラスティックの含有量の多さは、プラスティックが多く海に流れ出ている地域と関係があると言えるのだそう。
正直なことを言えば、私は、9割の食塩にプラスティックが含まれていると言われても、
大人1人当たりにして年間2000個ほどのプラスティックの欠片を体内に摂り込んでいる(食べている)と言われても、
それが体にも環境にも良くないことだとは分かるけれど、
その量が多いのか少ないのかまでは判断できなかったため、記事を読みすすめてみた。
すると、私たちが、食塩から摂り込むプラスティックは、
人間が体に摂り込んでいる全体量のほんの一部だといわれており、
体内に摂り込んでいる全体量は大人一人当たり、年間32000個と記されていた。
「なーんだ、数パーセントか」と思うのと同時に、じゃぁ一体何から?更に読みすすめると、
そのほとんどと言っても良い8割は、呼吸からだという見方があるとあった。
こ、呼吸から、プラスティック!?お手上げではないか。と、思考の八方塞がりを感じ、記事をのぞき込むことを止めた。
このニュース、割と多くのメディアが取り挙げていため、目に留まったのだけれど、
何を、どのように選んだ上での9割なのかは分からず仕舞いだった。
それでも、以前、こちらでも触れた話題でもある、
30年後の海の中は、魚などの海洋生物たちの数よりもプラスティックゴミの方が多くなるという予測が出ている話や、
1本のプラスティック製の歯ブラシが、完全に土に還るまでに要する時間は、1000年以上だとも言われていることを思うと、
何をどのように選んだ上での9割なのかということは、それ程大きな問題ではなく、
そろそろ自然の方から、「もう我慢できませんっ」「もう限界です」と言われても、
何ら不思議ではないという状況にまで追い込まれているということなのだろうと思ったりもした。
ニュースでは、「9割の食塩にプラスティックが含まれている」ということフォーカスしていたけれど、
私個人としては、「呼吸からプラスティック」という点に引き付けられてしまった話題であった。
失ってから気が付いたのでは遅すぎる。
様々な人間関係でも使われるフレーズだけれども、私たち、自然から三行半を突きつけられかけているのかも。
そのようなことを思ったある日の午後である。
関連記事:
関連リンク:
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/