記憶に留めておきたい資料があり、片っ端から目を通していたのだけれど、
思いのほか早い段階で、私のキャパシティーを超えてしまったようで、何も頭に入ってこなくなってしまった。
以前、東洋医学に携わっている方にこのような話を聞いたことがある。
室温と理解力や学習能力には大なり小なり関係があり、
室温が20度から21度を超え始める辺りから、頭に入りにくくなると言われているのだそう。
その時の話を思い出し、エアコンの設定温度を確認すると23度。
しかし、体感温度はそれ以上であり、私は珍しく氷を入れたアイスティーを飲んでいた。
自分のキャパシティーや集中力の有無を棚に上げて室温のせいにしてしまうことに、
若干の躊躇いはあったけれど、この時の私は潔く室温のせいにし、窓を開け放った。
体感温度と言えば、「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」という言葉がある。
読んで字のごとく、頭を冷やして足を温めると、質の良い睡眠をとることができたり、健康に繋がるという意味の言葉である。
この言葉に関しても、東洋医学視点から見る興味深い話がある。
今回は、そのようなお話を少し、と思っております。
ご興味ありましたら、ちらりとのぞいていってくださいませ。
一般的には、頭は温め過ぎず、足元はしっかりと温めることが、体温調節のコツというような言われ方をしているのですが、
東洋医学の視点を借りますと、これは、体の外側と内側の温度のバランスを取るためのコツという見方ができると言います。
私たちが暮らしている環境では、熱気は上へ、冷気は下へ溜まる性質があります。
そこに身を置く私たちの体は、これに対応しようとして、
本来は、頭は適度に冷やし、足元は温めるように働こうとするのだそう。
その働きが止まってしまいますと、頭は外側の熱気の影響を受けて熱くなり、そのうちのぼせてしまいますし、
足は外側の冷気の影響を受けて冷えがすすみ冷え性になるどころか、冷たさで感覚がなくなってしまいます。
ですから、私たちの体は本来、体の外側と内側の温度のバランスを取るための機能が備わっているはずなのですが、
様々な環境の変化の中で本来の機能が鈍くなっており、冷え性の方、のぼせやすい方などが増えているといいます。
そこで私たちは、本来の体の機能を外側からのケアで補おうと、
たくさん着込んだり、足元を温めたりしています。
しかし、忘れてはいけないのは、人の体は身を置かれた環境に対応しようと変化するということ。
例えば、冷え症の方が、足が冷えるからと言って、外側から常に温められている状態を当たり前にしてしまったら、
私たちの体の内側は、外側の環境との間でバランスを取ろうとして、
足の内側を冷やそうと動く場合があるというのです。
暑くなってきたら履いていた靴下を脱ぎたくなるときの状態を思い出していただくと、この体の機能をイメージしやすいかと思います。
もちろんこれは、足元を冷やして機能を取り戻すのが良いと言っているのではなく、
性質や状態を知って、内側から温めるようにケアしつつ、
それでも温まらない場合の対処法として外側からも温めるというケアをプラスすることで、
ケアのバランスがとれて、体本来の機能が働くように整えていくことができるという意味です。
このような視点で体の状態を見てみますと、身体は内側からと外側からの両方のケアを上手に使うことで、
体本来の働きに近づけることができるということがイメージとしても掴めるのではないでしょうか。
冷え性の方や、のぼせやすい方は、ご自分のケアを振り返ってみてはいかがでしょう。
ただただ着込んで温める外側からのケア、温かいものだけを口にする内側からのケアなど、どちらかの視点に偏ったケアをしていませんか。
今年は、体本来の働きを呼び覚ますような体の整え方をしてみてはいかがでしょう。
今年は、まだ始まったばかりですので、今回は「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」という言葉から、
自分の今の状態や、これまで気を付けてきたことをセルフチェックしたり、
様々なことに気付くきっかけにしていただければと思います。
幸せのレシピ集では、時々ではありますが、外側からのケアや内側からのケアを様々な視点で、皆さんと一緒に触れていければと思っておりますので、
ご興味ありましたら、お付き合い下さいませ。
本日も、身体ぽかぽかでまいりましょうね。
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