年に幾度か、自己メンテナンスと称して経絡アロマトリートメントや鍼灸施術を受けている。
その道のプロと生活を共にしているわけではないのに、顔を合わせて2、3分で、生活習慣から食生活、日頃の姿勢の癖までも言い当てられ、様々なことを考えさせられる。
このようなモノ言いをすると聞こえも良いのだけれど、その時の私の、正直な心の声は「やはり、バレてしまったか!」である。
このようなプロの見立てを、当て物のように扱うのは違っているということは分かっているのだけれど、何度経験しても「当てられた」「バレてしまった」という思いが消えることはない。
その日も、ひと通りの施術を受け終わり、心身共にリフレッシュできたばかりの、その感覚に浸っていると、風邪をひきかけていたのか、喉にあった、喉の奥に何かが詰まっているような、触れているかのような違和感が消えていることに気が付いた。
雑談にその話題を混ぜ込んだところ、それは梅核気(ばいかくき)だったのでは?と返ってきた。
内科視点での疾患が無いことが分かっていることが前提なのだけれど、
漢方界では、梅の種が喉に詰まっているような感覚があり、飲み込むことも、吐き出すこともできないような感覚になる症状のことを梅核気(ばいかくき)と呼ぶ。
別名、ストレス球、ヒステリー球などと呼ばれたり、イメージしやすいからなのか梅球と呼ぶ方もいらっしゃった。
私は、梅核気(ばいかくき)という呼び名には、堅苦しさを感じたのだろう。
梅球という名で覚えていたものである。
この症状を引き起こすきっかけは、ストレスや自律神経の乱れ、猫背や肩コリなどが挙げられている。
ストレスは、誰もが知らぬ間に大なり小なり抱えているものであるし、
自律神経の乱れは、生活習慣に左右されるものでもある。
特に女性の体は、ホルモンバランスによる変化が大きく、自律神経も乱れやすい性質なので、この症状を感じている方が多いという。
そして、ストレスがなく自律神経の乱れがなくても、猫背や肩コリによる姿勢がクセになっている方は、
首の前面側にある筋肉が緊張した状態をキープしていることによる、喉の違和感を覚えることがあるのだそうだ。
原因を知ってみると、梅核気(ばいかくき)は経験しやすい症状なのかもしれないと思う。
もともと、喉の辺りは様々な役目を担っている場所でもあるため、
ストレッチをすることでクセになってしまっている緊張状態が解け、心身もほぐれてリフレッシュできるということのようだ。
ストレッチの手順は4つ。
【1】姿勢を正し、鎖骨の中央辺りに両手の平を重ねて置きます。
【2】手の平の体温が感じられたら、首をゆっくりと後ろへ逸らして天井を見ます。
【3】この時、重ねた両手は、鎖骨中央辺りの皮膚を、優しく下に引くようなイメージで喉の全面を伸ばします。
【4】この状態で呼吸をするのですが、余裕があれば首を左右に倒した状態での呼吸も追加します。
時々、呼吸を丁寧に行ってみると、自分の呼吸が浅くなっていることに気が付くことがあります。
知らぬ間に、息をしっかり吸って吐くことすら時短モードになっているのです。
喉の周りを解すことは、健康と美容の土台を整えることにも繋がっていますので、
喉に何かがひっかかっているような感覚を覚えたときだけでなく、
時々、喉の全面をぐぐーっと伸ばすストレッチで心身メンテナンスをしてみてはいかがでしょう。
中には、そのような感覚を察知できないほどに諸々を溜めこんで頑張っている方もいらっしゃいますので、
私は大丈夫と感じている方も、時には作業の手を止めて、気分転換に喉ストレッチ、いかがでしょうか。
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