二十四節気が立春から雨水(うすい)へと変わった。
今年は、2月19日から3月5日までがこの期間にあたるのだけれど、雨水期間に入る初日(今年は19日)を雨水の日と呼ぶことが多い。
雨水期間を簡単に言うならば、冬の厳しい寒さが一段落し、気温が少しずつ上がり始め、雪や氷も溶けだして、「いよいよ春が始まりますよ」という自然からのお知らせ期間、節目のようなものである。
二十四節気という冠つきの言葉だと聞けば、つい昔ながらの暦上の季節感でしょ、と思ってしまいそうになるけれど、
ほんの少しだけ意識をこの節目に向けて過ごしてみると、確かに雨水に入ると雨がしとしとと降ることに気が付くのだ。
更に、まだまだ寒さを感じる日々ではあるけれど、これまで何も思わず手に取って着ていたお洋服やアウターを、少し暑いかもと感じ始めるのもこの頃である。
これだけ技術や研究、予測の質が進んでいるけれど、人が本来持っている肌感覚を遺した二十四節気も侮れないと思いながら、
ここ最近は、今日はどのアウターにしようかしら、とクローゼットを眺めている。
雨水と言えば、この日に「ひな人形」を飾ると良いと言われている。
理由は諸説あるけれど、一般的に親しまれている説は日本神話がもとになっているものだ。
日本神話の中で水は、命を育む核のようなものとして大切にされ、母神として崇められている。
このようなことがもとになり、雨水の日に「ひな人形」を飾ると女の子が幸せになる、良縁に恵まれる、ご利益があるといったことが言われるようになったという。
とは言え、現代人の勝手な言い分を正直に言ってしまうと、
「毎年必ず、雨水の日にお雛様を飾る」というのは、地味に大変な作業でもある。
このようなときには、立春や大安の日に飾ると良い、ひな祭りの1週間前までに飾ると良いなどと言われている。
ひな人形には「お嫁に行き遅れるから、早く片付けなくてはいけない」というお決まりのフレーズがある。
しかし正確には、「いつまでも片付けることができないような子は、お嫁の貰い手がいないので、お嫁に行き遅れる」という意味だったようだ。
そしていつの間にか詳細が端折られて、ひな人形をいつまでも飾っておくとお嫁に行き遅れるという部分だけが一人歩きしているのだそう。
ひな人形は早く片付けなくてはいけないと言われている真意は、ひな人形には、女の子の災厄を引き受けていただいているため、
女の子の代わりに引き受けていただいた災厄を少しでも早く女の子から離すために、ひな祭りが過ぎたら速やかに片づけるようにということのようだ。
特に雨水の次に来る啓蟄(けいちつ)と呼ばれる日を選ぶとよいのだそう。
今年は3月6日が、この啓蟄の日である。
とは言うものの、ここでもやはり現代人の過密スケジュールは容赦ない。
そのような時には、お雛様とお内裏様をクルリと後ろ向きにしておき、「皆さんお帰りになられました」と示しておくという方法もあるのだとか。
このような小技を知っておくと、少し気持ちが楽になるのかもしれない。
ひな人形を出すタイミングを逃している方は、この辺りで出してみてはいかがでしょう。
ご自宅で飾るご予定が無い方は、街中で目にするひな人形に視線を送ってみてはいかがでしょう。
ひな人形は、女の子だけでなく世の女性たちを丸ごと応援してくれる存在のように思います。
今日もここへ足を運んでくださった皆さんが笑顔でありますように☆彡
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