私の、この時季のお楽しみのひとつに“春告げわかめ”を食すこと。というものがある。
今や、食材の多くが通年で手にすることができ、口にすることができるけれど、この環境が当たり前になってしまうと、
身勝手ではあるのだけれど、旬のものを旬に口にするということに妙な贅沢さや喜びを感じるように思う。
普段は便利さを取って乾燥わかめや塩漬け保存されたものを使うことがほとんどだけれど、この時季だけは別。
柔らかいけれど、適度な肉厚と噛み応えがあり、噛めば噛むほど磯の香りを感じることができる“春告げわかめ”に小さな喜びを感じ、にんまりとするのである。
わかめなので普段通りのメニューに使うことができるのだけれど、私は春告げわかめに限っては、サラダや少量の薬味と共にシンプルに味わうことが多い。
そうして十分に春の味覚と香りを楽しんだら、少しだけ熱を通し、パッと鮮やかな新芽色に変わった状態を楽しむしゃぶしゃぶも気に入っている。
わかめが得意とする分野に関しては、時々触れてきたと思うのですが、
せっかくの機会ですので簡単におさらいしておきましょうか。
“わかめ”を単なる“わかめ”と侮るなかれ、でございます。
わかめの魅力は、春の味覚として美味しく味わいみながら、体内メンテナンスができる点です。
わかめは、体の中をお掃除することが得意で、体内にある不要な塩分や脂肪などを吸収して体の外へ運び出してくれる食材だと言われています。
不要なものをお掃除をしてもらった私たちの体が、どのような状態になるのかといいますと、まずは浮腫みが緩和されます。
浮腫みが気になるときや、味が濃いものを食べた日、外食をした日、お酒を飲んだ日の翌日などに摂って体内環境を整えるのも手。
他にも不要なものを排出する手助けをしてくれることから、高血圧や糖尿病の予防、コレステロール値の調整などにも良い食材だと言われています。
更に、食物繊維には2種類あり、それぞれに得意分野のようなものがありますが、わかめに含まれている食物繊維は水溶性の食物繊維ですので、なかなか改善しない便秘の症状を緩和する手助けもしてくれます。
この食物繊維の働きは、便秘の有無を問わず腸内環境を整えてくれますので、健康の土台をしっかりとサポートしてくれるということでもあります。
と同時に、免疫力をアップさせたり、良い状態をキープする手助けを得意とする成分も含まれていることから、ガン予防にもよい食材だと言われています。
わかめは1年かけて成長するそうなのですが、春に食べ頃の旬を迎えることから、この時季のものは“春告げわかめ”という名で市場に出回っていることが多いです。
目に留まった際には、春の味覚を味わいながら、体内環境を整えてみてはいかがでしょうか。
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