春告げ食材のひとつであるホタルイカの旬がやってくる。
早いところでは、既に旬のホタルイカを口にし始めた頃だろうか。
ホタルイカは、親指ほどの背丈をしたイカなのだけれど、最近知った話によるとホタルイカは春に生まれ、一年という時間を過ごした翌年の春に産卵し、その一生を終えるという。
ホタルイカにとって、一年という時間が長いのか短いのか私には想像すらできないけれど、人の一生と比べると、何と短命なことだろうと思う。
私はホタルイカの名前の由来でもある、蛍のように体を光らせている姿を一度だけ目にしたことがある。
真っ暗な海面の一部で青白い光の塊が揺れている光景は、とても幻想的なものだった。
私はその光景を、幻想的だとのんきに感じていたのだけれど、真実はと言えば、ホタルイカが捕獲されまいとして外敵を威嚇している光景なのだとか。
更に彼らは青白い光以外にも数種類の色の光を放つことができるそうで、発する色によって仲間同士で何かしらの連絡を取り合っているという話もある。
ホタルイカを食す折には、目と口と軟骨部分を取り除くひと手間を要するけれど、小さくて美味しい春告げ食材、なかなか興味深い存在である。
ホタルイカは様々な食べ方があり、生食には生食の、ボイルしたものにはボイルしたものの美味しさがあるけれど、どのように食べても栄養価が高い点も嬉しいところ。
もちろん、1回食べただけで体丸ごと健康になるというような魔法の食材ではないけれど、肝臓に脂肪がたまってしまう脂肪肝の改善に必要なタウリンが豊富なので、肝機能を健やかに保つためにも、この時季のレスキューフードとして楽しむと良いように思う。
他にも、細胞を作ったり、神経の損傷を治したり、様々な疾患に繋がる動脈硬化を防ぐといったことなどに関わっているビタミンB12も豊富な上に、肌や皮膚の粘膜、目の健康に必要となるビタミンAもたっぷり含まれている食材だ。
花粉が飛び始めるこの時季は、肌や鼻の中の粘膜や目などが花粉によるストレスを感じやすい時季でもあるので、お薬を使う以外にも、このような食材を楽しみながら体のコンディションを整えておくのも手である。
ビタミンAは、肌や皮膚の粘膜、目などを健やかに保ち、花粉をはじめとする様々なストレスに対して抵抗できるよう働いてくれる栄養素なのだけれど、摂取したビタミンAをしっかりと体内に吸収させるためには、ビタミンCと一緒に摂ることがコツだと言われている。
明日、いや、日付が変わりもう今日のことになるのだけれど、本日の私のランチは、ホタルイカと菜の花のパスタで春を喰らおうか、などと思う真夜中である。
いろいろなメニューで楽しめることができるホタルイカ、旬がやってまいりましたので、お嫌いでなければ、いかがでしょうか。
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