友人が、おすすめできるハンドクリームはないかと聞いてきた。
非常に強い肌を持っている友人なのだけれど、浴室内の鏡についたウロコ汚れ(水垢)を一掃しようと様々な専用洗剤を素手で扱っているうちに、友人曰く“人生最大の手荒れ”を招いてしまったのだそう。
初めての経験を面白可笑しく話す友人に、人生最大の手荒れと引き換えにした浴室内の鏡の状態は、さぞかしピッカピカなのだろうと尋ねると、
これが困ったことに、キレイにはなっていないわけではないけれど、スッキリと落とし切った満足感には至らず、未だにウロコ汚れ専用洗剤をジプシー中だという。
私たちの脱線しかけていた会話はこのあと無事にハンドクリームへと戻ったのだけれど、数日後、
ふと思ったのだ。
もしかして、水垢ではなくて湯垢だったのではないのだろうかと。
もしくは、湯垢だと思っていたけれど水垢だった、とか。
私は、水垢と湯垢は同じものだと思っていたことがあったのだけれど、浴室内のメンテナンスに入っていただいたことがきっかけで、この水垢と湯垢は似て非なるものだと知った。
それからは、お掃除しても水垢(湯垢の場合も)が落ちない場合は、お掃除方法を変えるようになったのだけれど、友人ももしかして……と。
今回は、水垢と湯垢の違いをシェアさえていただければと思っております。
ワタクシ柊希の脳内整理も兼ねておりますが、ご興味ありましたら、ちらりとのぞいていって下さいませ。
皆さんのご自宅浴室内の鏡に付着している通称ウロコ汚れは、水垢と湯垢のどちらでしょうか。
水道水には炭酸カルシウムというものが含まれています。
これが、あの白いウロコを作っています。
電気ポット内に白いものが付着することがありますが、同じものです。
単純に、この成分だけでできたウロコ汚れは水垢でアルカリ性の汚れです。
一方の湯垢と呼ばれるウロコ汚れは、水道水に含まれているマグネシウムが浴室内で使ったシャンプーや石鹸などに含まれている成分とくっついてできており、酸性の汚れなのだそう。
一見、同じウロコ汚れに見える汚れでも、アルカリ性と酸性では全く異なる性質の汚れなので、同じ洗剤で落とすことができないことが腑に落ちるのではないでしょうか。
特に浴室内に横長に設置してある鏡の場合、同じ洗剤で洗っているのに、洗い場付近のウロコ汚れの落ち具合とバスタブ付近のウロコ汚れの落ち具合が異なるという場合もあります。
ですから、ウロコ汚れのお掃除前には、単純に水道水の成分によってできた水垢汚れなのか、
水道水にシャンプーや石鹸などの成分が混ざってできた湯垢汚れなのか、確認してから洗剤を選ぶのも手です。
アルカリ性の水垢には、真逆の酸性の洗剤やクエン酸が効き、
酸性の湯垢には、真逆のアルカリ性の洗剤や重曹が効くということです。
市販されている専用洗剤から選ぶ場合も、自宅の汚れが水垢なのか湯垢なのかを確認してから洗剤を選ぶと、洗剤を無駄にしなくて済むように思います。
中には、巷に溢れているクエン酸や重曹を使ったナチュラルクリーニング方法できれいに落ちないと感じたことがあるという方もいらっしゃるかと。
ご家庭によって使っているシャンプーや石鹸、ボディソープその他の成分はマチマチですし、浴室内の使い方、泡の飛び方も然りです。
そうなりますと、お掃除方法が正しいものだったとしても、ウロコ汚れの成分が異なれば「効いた、効かなかった」といった真逆のリアクションが生まれることも珍しくありません。
このような時には、少しだけ視点を変えて、どのようにしてできた汚れなのかチェックしてみて下さいませ。
今回は、水垢と湯垢汚れの見分け方のお話だけのつもりだったのですが、
せっかくですので、厄介な湯垢(酸性)汚れに使う洗剤レシピのひとつにも触れておきます。
酸性という性質を持った湯垢汚れには、アルカリ性の重曹が効くことが多いのですが、これだけではスッキリ落とせないこともあります。
このような時、もしご自宅で使っている食器洗い用洗剤がアルカリ性であれば、重曹と混ぜ合わせてスクラブ洗剤として使ってみるのも手。
この時、中性洗剤や酸性の食器洗い洗剤を混ぜてしまいますと、重曹のアルカリ性が弱くなってしまいますので、しっかりと確認してくださいませ。
これは、私の印象なのですが、少ない量でしっかりと汚れを落とすことができるような食器洗い洗剤は、アルカリ性のものが多いような気も致します。
何かしらのヒントや閃きのきっかけにしていただけましたら幸いです。
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