シューズボックス内を掃除した。
普段の掃除は、シューズボックスを開けるたびに少しずつということが多いため、一気に掃除をする場所という意識は無いのだけれど、一掃後の清々しさはやはり気持ちが良いと思った。
その日は、その気持ち良さに乗せられて、まだ一度も履いていない下駄の「鼻緒ずれ対策」を施しておくことにした。
時々、下駄を履くと指や足の甲が痛くなるから浴衣は着たくないという声を聞く。
私も以前は、下駄は足が慣れるまでは痛いものだという印象を持っていたのだけれど、下駄を履く前の準備というものを教えていただく機会があり、その印象がガラリと変わった口である。
店頭で浴衣を目にする機会も増えつつありますので、今回は下駄の鼻緒ずれを防ぐ準備にフォーカスしてみたいと思っております。
ご興味ありましたら、ちらりとのぞいていってくださいませ。
鼻緒ずれというのは、靴ずれの下駄バーション、草履バージョーンのようなもので、足の親指と人差し指の間を筆頭に、鼻緒が足に当たる全ての部分に出来る傷です。
特に素足に履く下駄は、皮膚と鼻緒がひっかかるようにして擦れ合うため、痛みが強く皮も剥けやすく厄介です。
中でも普段刺激を受けることが無い足の指と指の間は、刺激に慣れていないデリケートな皮膚なので、ここを一度痛めてしまうと下駄を嫌厭したくなります。
この痛みや傷、歩き難さといった鼻緒ずれを防ぐために、いくつかの下準備を行います。
まずは、鼻緒全体をゆっくりと揉みほぐし、自然と自分の足に沿う柔らかさに整えます。
特に前つぼ(※前緒とも言うこともあります)と呼ばれる親指と人差し指で挟む部分は念入りに揉みほぐしたり、引っ張って伸ばすなどしておくと、長時間の外出でも足元が快適です。
時間があれば、お庭やベランダなどで実際に履いて数分過ごすということを数回繰り返すと、より足馴染みが良くなります。
鼻緒がある程度柔らかくなったら、石鹸か蜜蝋、もしくはベビーパウダーを鼻緒の内側、足に直接触れる部分に塗り込むか、はたいていくことで鼻緒と肌の摩擦が緩和され傷みが出にくくなります。
一般的には蜜蝋やベビーパウダーの使用をおすすめされることが多いかと思うのですが、私自身は鼻緒が粉っぽくなってしまうことが苦手なので、石鹸を使うことが多いです。
石鹸を塗っておくと汚れを防ぐこともできますし、水洗いによるお手入れをする際にも汚れと一緒に簡単に溶け出てくれるので扱いやすいように思うのですが、ここはお好みです。
浴衣の時季になりますと鼻緒専用のジェルパッドなども見かけるのですが、これは前つぼのみのタイプですので、やはり一度は手作業による揉みほぐしをしておくことをおすすめします。
時間にして10分から15分もあれば十分だと思いますので、今年は鼻緒ずれを防ぐための事前ケアを行ってみてはいかがでしょうか。
ご自分用の下駄に、ご家族が履く下駄に、小さなお子さんの下駄ケアの参考にしていただけましたら幸いです。
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