先月いただいたピンク色をしたバラがそろそろ終わりを迎えようとしている。
女性の手のひらサイズよりも一回りほど大きなバラで、3週間ほど楽しませていただいているものだ。
薄っすらとグリーンがかった淡いピンク色のバラは初めてだったものだから、品種を調べてみたのだけれど分からず、ただただキレイだなと眺めながら過ごしている。
バラの花を見ると、イギリスに住んでいた頃の知人宅の庭に植えられていた、色とりどりのバラを思い出すことがある。
お茶をいただきながら、お手入れが行き届いているバラを眺めつつ、様々なことを教えていただいたように思う。
知人宅のバラは色も品種も様々だったけれど雑多な印象はなく、私は「ここはワンダーランドみたいだ」としばしば発していた。
あるとき、どのようにしてこれだけの品種のバラを集めたのかと尋ねると、購入したバラは1、2種類だけで、あとは全て贈り物としていただいた切り花のバラを再生させたものだと返ってきた。
私は、両手両足の指の数を足しても足りないほどの種類が混在している庭へ視線を向けながら、これら全部?と何度も聞き返したように思う。
ガーデニングを楽しんでいる方々にとっては良く知られている方法らしいのだけれど、
切り花のバラの花をある程度楽しんだ後、再度水切りをして茎の下部を切り落とし、花と葉っぱも切り落とし、シンプルな茎のみの姿に整えるのだそう。
これを、穴を開けたジャガイモに刺し込み、庭やプランターなどに植えるという。
そして、丸裸になった茎を守るためにペットボトルの底をカットしてキャップを取り除いたものをバラの茎に被せ、水はペットボトルの周りの土から与える。
こうして育てると1か月半から2か月ほどでバラが芽吹き、再生するというのだ。
知人曰く、このガーデニング方法で、いただいたバラを再生させていたら、いつの間にかバラ園のような庭が出来上がっていたのだとか。
いつ、誰からか頂いたバラなのかまでは思い出せないくらいの数になってしまったけれど、この庭は私が受け取った、たくさんのラブでいっぱいなのだとも言っていた。
やはり、ここはワンダーランドだ。
そう思いながら話を聞いている私に知人は、我が家のバラはゾンビローズでもあるのだけれど、と笑った。
私は、そのゾンビローズという言葉が印象的過ぎたものだから、この日の話はよく覚えている。
もちろん、ジャガイモを使ったガーデニング方法とともに。
マンション暮らしということもあり、私はゾンビローズを育てたことは無いのだけれど、いつかトライしてみたいかも、と思っている。
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