幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

“ういろうさん”の“ういろう”は、お菓子?お薬?

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小腹を満たすため、キッチンでお茶の準備を始めた。

子どもの頃から密かに“好き”と感じている外郎(ういろう)に静かにテンションが上がる。

あの、むっちりぷるんとした食感と優しい甘さ、いい意味で想像を裏切ってくれる口解けの良さは、癖になる。

しかも、様々なご当地外郎(ういろう)があり、違いを楽しむのもいい。

合わせるお茶は何にしよう。

茶葉が並ぶ戸棚を眺めながらシンプルな紅茶葉を取り出した。

ここは、日本茶か中国茶の類が合うのかもしれないけれど、好きなものと好きなものを好きに合わせるティータイムは、自宅ならではの自由と喜びがある。

そして、ここで、細かいことに縛られるなんてナンセンスだ。

子どもの頃から口にしていた和菓子のひとつ、外郎(ういろう)。

本日のワタクシ、昔から知っていたかのように漢字で外郎(ういろう)と記しているけれど、そう記すのだと知ったのは最近、ここ1年以内のことである。

大抵の包みには「ういろう」と平仮名で記されているため、漢字があるとは思いもしなかったのだ。

知ったところで、私の中の“ういろう”は“ういろう”なのだけれど、せっかくなので、こうして漢字を使ってみているわけである。

この漢字表記を知ったとき、外郎(ういろう)には薬の外郎とお菓子の外郎があることも知った。

今回は、そのようなお話を少しだけ。

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薬の「ういろう」は、正式には「透頂香(とうちんこう)」と言うそうだ。

もとは、薬の調達をお役目としていた中国の官職、陳宗敬という方が日本に帰化した際、

官職名にあった「外郎」という部分をとり、陳外郎(ちんういろう)と名乗り、様々な症状に効く万能漢方薬「透頂香(とんちんこう)」を伝えたことが始まりなのだとか。

この漢方薬は立派な名を持ってはいたけれど、人々からは、外郎(ういろう)さんの薬ということで外郎(ういろう)の薬、略して外郎と呼ばれるように。

と同時に、外郎(ういろう)さんたちは、当時、薬の材料として使われていた高価な黒糖を使い、国賓をおもてなしする為のお菓子も作ったそう。

このお菓子も非常に評判がよく、こちらは外郎(ういろう)さんのお菓子ということで外郎(ういろう)のお菓子、略して外郎と呼ばれるように。

そして、このお菓子の外郎(ういろう)を作っていた職人たちが後に各地に散らばり、各々の場所で外郎(ういろう)を作るようになったことから、現在、ご当地ういろうが多数存在しているという説があるそうだ。

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外郎さんのお菓子だったと分かれば、外郎(ういろう)という表記も、すんなりと覚えられそうな気もするのだけれど、私の中で慣れ親しんできた“ういろう”は“ういろう”である。

これから先、外郎(ういろう)と漢字で記す機会はそう多くはないと思うけれど、どこかで外郎の文字を目にした際には「ういろう」と読めそうな気がしている。

ちなみに、この外郎家の外郎(ういろう)は、神奈川県小田原市にある「株式会社ういろう」で購入可能とのこと。

一度くらいは、外郎の始まりの味である“外郎さんの外郎を”と思うティータイムである。

外郎(ういろう)を召し上がる機会がりました際には、チラリと思い出していただけましたら幸いです。

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