幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

ロックケーキに忍ばせてある“あるある”を楽しむ。

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洋菓子店内を見ていると袋詰めされたロックケーキに目が留まった。

ロックケーキとは、英国でスコーンと同じくらい親しまれているお菓子で、表面はサクッと中はしっとりとしたスコーンとクッキーの間を取ったような食感のお菓子である。

生地には、チョコチップやレーズン、好みのドライフルーツなどを生地に練り込むため、家庭の味があったりもする。

形を均等に整えたりはせず、天板に適当に落として焼き上げるため、子どもたちを交えたお菓子作りのメニューに選ばれることも多く、

その焼き上がりがゴツゴツとした岩のように見えることから岩のようなケーキ、ロックケーキと呼ばれている。

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私の中でロックケーキと言えば、『ハリー・ポッターと賢者の石』である。

メインストーリーを追う中にも心惹かれるシーンというものはあるのだけれど、それ以外で私が好きなシーンのひとつに、ハリー・ポッターがロックケーキを食べるシーンというものがある。

ストーリーの中でハリーと彼の友人ロンは、「禁じられた森」に住む森の門番、ハグリッドに会いに行く。

ハグリッドは、モフモフとボリューム豊かな髭を蓄えた大男で、ハリー・ポッターに登場する人物の中でも人気が高い人物なのだけれど、その彼が、手作りのロックケーキと紅茶でハリーとロンをもてなすのだ。

しかし、彼が作ったロックケーキは本来のそれとは異なり、顎が外れてしまいそうなくらい、歯が折れてしまいそうなくらい固い仕上がり。

ハリーとロンが、このロックケーキを口にした瞬間に「固い」と言ってしまっても不思議ではないようなシーンなのだけれど、

彼ら2人は、ハグリッドのおもてなしの気持ちを受け取り、固いロックケーキを美味しそうなフリをして食べる。

私は、この様子に口元が緩んでしまうのだ。

この何気ないシーンの魅力はこれだけではない。

私も、あるご家庭で振舞っていただいたロックケーキが、カチカチに凍ったあずきバーのように固かったことがあり、このシーンは“英国あるある”なのではないかと思っている。

更に、ハグリッドが作った固いロックケーキだけれど、ロックケーキはレシピも工程もとてもシンプル。

しかし、生地を練りすぎてしまうと小麦粉に含まれているグルテンが出すぎて固くなってしまうという注意ポイントがある。

ハグリッドは心優しいけれど大男ゆえに力も強いため、彼が作るロックケーキは自然と固くなってしまうことを盛り込んでいるのではないだろうかと想像させられるシーンでもあるのだ。

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ロックケーキを目にして、このようなシーンを思い出したものだから、ロックケーキを食べたい気持ちが抑えられず、一袋いただいて帰ることにした。

小説や絵本の中に登場する食べ物は、とても魅力的である。

本の中の世界でしか味わうことができないものもあるけれど、今回は現実世界でも味わうことができる食べ物でラッキーだった。

『ハリー・ポッターと賢者の石』を読んだり観たりする機会がありました際には、是非、ロックケーキを物語のおともにどうぞ。

ロックケーキの雰囲気を手軽に味わいたいという場合は、カントリーマームをレンジで少し温めて、いかがでしょうか。

画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/