何となく、お行儀が悪いような気がしていたことがある。
それは、入浴中の歯磨きだ。
しかし、半身浴を楽しむとき、湯船の中でシャカシャカとリズミカルな音を立てながら歯を磨くときのリラックス感は妙に心地よい、そう感じていた。
不幸中の幸いとでもいうべきか、これまで私の周りでは入浴中の歯磨きが話題となることは無かったのだけれど、ついに先日、その時が来たのである。
知人が、入浴中の歯磨きっていいよね、と口火を切った。
内心、えっ!?と戸惑ったけれど、ここぞとばかりに大きく賛同した。
すると知人は、クリニックでおすすめされてから湯船の中での歯磨きが病みつきだと言った。
入浴中は、全身が満遍なく温められている状態なので、血液やリンパの流れがスムースになり、代謝もあがっている。
この状態で行う歯磨きは、通常よりも歯茎が緩み、歯石などの汚れも落ちやすくなるのだそうだ。
しかも、体温が上がっている状態で口の中を刺激するため、質の良い唾液がでるのだとか。
この唾液は、口の中にいる細菌を殺菌、消毒してくれるため、口臭や虫歯、歯周病といった、お口の中のトラブル予防や、口から入ってくる様々な菌をやっつけてくれるのだそう。
この辺りが湯船の中で行う歯磨きのメリットなのだけれど、メリットは他にもあるのだ。
体が十分に温まり、心身がリラックスしているときに口の中を刺激すると、成長ホルモンのひとつで、若返りホルモンと呼ばれている物質の分泌量が増えるのだとか。
この若返りホルモンと呼ばれている物質は、口の中だけでなく全身の代謝を促し、シミやシワなどの肌トラブルを防ぎ、お肌や髪の毛をできるだけ健康な状態にしようと働いてくれるという。
若返りホルモンは20代半ばを過ぎた辺りから減少しはじめるそうなのだけれど、ストレスなどの影響によって泌量が減るようなので、
美肌効果やアンチエイジング効果などの美容効果まで期待でき、湯船で歯磨きは思いの外、メリットが多いようだ。
湯船で歯磨きをする際、私は歯磨きペーストを使った方が歯磨きをした爽快感が得られやすいため、使っているのだけれど、専門家たちは歯磨きペーストを使用せずに磨くことを推奨しているのだそう。
これは、湯船で歯を磨く際は様々な状況が整い、汚れが落ちやすくなっているため、歯磨きペーストを使用しなくても十分に汚れを落とすことができるという理由と、
泡を気にする必要がなければ、ゆっくりと時間をかけて隅々まで磨くことができるという理由らしい。
歯科クリニックが苦手な私は、クリニックへはあまり近づかないのだけれど、不思議と虫歯をはじめとする口内トラブルと無縁なのは、時々湯船で歯磨きをしていたからなのだろうか、と思ったりもしている。
それより何より、何となくお行儀悪く感じていた“湯船デ歯磨き”が、巷で推奨されていたことだったなんて、驚きであった。
わざわざ、私は湯船で磨きをしていますなどと言う機会はそうないだろうけれど、これからは堂々と言える、そのようなことを思った“湯船デ歯磨き”である。
皆さんもよろしければ、お口の中の健康や、お肌や髪の毛のアンチエイジングに、疲労回復やダイエットなどの効果まで欲張りつつ、いかがでしょうか。
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