夜にできた空き時間。
眠ってしまうには惜しい気がして、好きな音楽と飲み物を用意し、持っている「つげ櫛」のお手入れをすることに。
丁寧なお手入れをする方は、ひと月に一度ほどのお手入れをしていると聞くけれど、ズボラな私は半年ほどに1度くらいの頻度である。
だけれども、手持ちのつげ櫛への信頼度は高く、大切に使い続けているものだ。
ポーチに忍ばせている半月型のものと、自宅で使用している長財布ほどの長さをした半月型、そしてブラシタイプの3種類である。
櫛タイプのものは10年以上使っているため、つげ櫛の味が出てきつつはあるのだけれど、その色を飴色と表現するにはほど遠く、
つげ櫛も人と同じで「味」と呼べるものが本体から滲みでるまでには、それなりの時を要するように思う。
ブラシタイプのものは、最近、友人から贈り物としていただいたもので、これからじっくりと時間をかけてお付き合いしていく「つげブラシ」である。
古来より日本女性たちに愛用されている、つげ櫛は伝統の技を作って作られている。
たぶん、使い始めたばかりの頃の正直な感想は、こんな感じなのか、可もなく不可もなくといった感想を抱く方が多いのかもしれない。
見た目のシンプルさも影響してか、見た目の艶やかさに加え、分かり易い機能性を持ち、効果がすぐに表れるような櫛に心変わりをする方も多いだろう。
だけれども、つげ櫛はスルメのように噛めば噛むほど、使い込めば使い込むほどに良さや味を感じられるアイテムである。
一番は、つげ櫛は、静電気が起き難い点だろうか。
静電気の威力に関しては過去に触れたような記憶があるので割愛するけれど、
頭皮や髪の毛の側で静電気が起き難いため、静電気による頭皮へダメージが最小限に抑えられ、髪の毛のキューティクルが静電気で剥がれてしまうこともないのだ。
次に、つげ櫛に浸み込ませてある椿油がポイントである。
椿油が染み込ませてあるつげ櫛で髪の毛を梳かすと、梳かす度に少しずつ髪の毛に椿油が浸透し、乾燥を改善、防ぎ、美髪に導いてくれるという仕組みである。
髪の毛に十分な水分と油分が保たれるようになれば、これも静電気が起き難い状況の後押しとなる。
最後は、つげ櫛の歯による頭皮への刺激にはマッサージ効果があるため、日々の、髪の毛を梳かす習慣が、頭皮マッサージを兼ねることになる。
頭皮のコンディションが整うと髪質も整うと言われているけれど、頭皮はお顔とも繋がっているため、長い目で見るとスキンケアの手助けにもなるというオマケつきである。
つげ櫛と言うと、とても高価なものと言う印象があるけれど、近年はリーズナブルなものも増えており、その使い心地、品質、もちの良さも悪くない。
つげ櫛のお手入れに使うのは、椿油。
この椿油も、子どもの頃から手放すことができない愛用品のひとつである。
最先端技術をふんだんに盛り込んだ話題のヘアケアオイルの類も使用してきたし、使用してもいるのだけれど、
どれもピンとこない時や、ダメージを回復させたいときに頼るのはシンプルなボトルでお馴染みの大島椿本舗の椿油で、私はこれをつげ櫛のお手入れにも使用する。
椿油を手の平に伸ばし、その手でつげ櫛を隅々まで撫でて椿油を塗り広げる。
櫛の歯と歯の間は、歯ブラシなどに椿油を少量とり、塗っていく。
30分ほど放置したあと、乾いた布で汚れを拭きとるようにして拭き上げ、5~6時間から半日ほど放置すると椿油がつげ櫛の奥にまで浸透し、艶が復活する。
あとは、普段通りに使うだけ。
椿油をつげ櫛につけすぎてしまったときには、シャンプー前の髪の毛を何度も梳いて余分な椿油を取り除くと良い。
そうすることで、頭皮マッサージとヘアケアまでを同時に行うことができるのだ。
もちろん、日本人の髪の毛や頭皮に合うと言われているつげ櫛だけれど、頭皮や髪質によって合う合わないはあるだろうし、使い勝手の好みも人それぞれかと。
その辺りも考慮した上で、髪の毛のコンディションをじっくりと整えていきたい方や、つげ櫛に興味がある方は、リーズナブルなもので、つげ櫛デビューしてみるのも良いのではないでしょうか。
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