その日も窓を、何度、開け閉めしただろう。
エアコンのスイッチを、何度入れたり切ったり、冷房にしたり除湿モードに切り替えたりしただろう。
こんなことをしているから夏が苦手になるのだろうと、自分を分析してみたりもするのだけれど、もうこればかりは止められないように思う。
あまりにも気温が激しく変動するものだから、適温が分からなくなっているような気もするのだけれど、私の動物的本能がそうさせるのか、この時季になると体がお酢を欲するようになる。
毎日積極的にお酢を摂取しているわけではないけれど、苦手だということもないため、一年を通して口にする調味料のひとつだ。
しかし、これからの数か月間は、目に見えて消費量が上がるところを見ると、私の動物的本能は、まだまだ健在のようである。
その日も、日中の気温が高かったからなのか気が付けばキッチンで、鮭と太ネギとレモンを使った南蛮漬けを作っており、いつぞやかに知人たちと会話にあがったお酢の話を思い出していた。
確かその時も、皆で南蛮漬けを食べていたのだけれど、知人の一人が言ったのだ。
毎日お酢を飲み続けたら、私たちの体の骨はホロリと崩れるくらい柔らかくなってしまうのだろうか?と。
もし仮に、そのようなことが起こるのだとしたら、既に話題になっているだろうし、国や医療機関等から目安となる摂取量などについて、今よりもしっかりと伝えられているのではないだろうかと、数人が口にした。
知人は「それもそうか」と一度は納得したように見えたのだけれど、お酢を飲んでいる人は体が柔らかいと言うし、いつかは骨も……と食い下がった。
するとこの手の内容に長けた方が、確かにお酢にはカルシウムなどを溶かすような特徴があるけれど、人が口にするくらいの量で骨を構成しているカルシウムを溶かすことはないはずだと言った。
私もその後、何度かこの話題に触れる機会があったけれど、
私たちが口にしたお酢が体内で消化され、必要な栄養として体に行き渡り、不要になったものが体外へ排出されるという短時間でお酢が人の骨を溶かすことは難しいのだそうだ。
何より、皆さんもご存知のとおり、疲労回復や美肌、血の巡りを良くするなどの、体に与えるメリットの方が多いようだ。
ただ、長時間お酢の中に浸かって過ごしたとしたら、お魚やお肉同様に柔らかくなったり、骨がホロリという可能性もゼロではないのではないだろうかと、言われていた。
どのようなものにも、薬にも毒にもなる可能性があるということだろう。
そのような話を思い出しつつ、粗熱が残っている鮭の南蛮漬けをひと切れ、口の中に入れた。
そうそうそう、体が欲しているのはこの酸味。
今年もお酢のチカラを借りる気満々である。
お酢が私たちの骨を溶かしてしまう心配は無さそうなので、皆さんも、
お嫌いでなければ、お酢のチカラで日頃の疲れを吹き飛ばしてみてはいかがでしょうか。
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