普段フラワーショップで手に取る花は、存在感があるものがほとんどだ。
きっと、無意識に「せっかくフラワーショップで買うのだから」という気持ちが働いていたのだろうと思う。
しかしその日は珍しく、草花のようなものばかりに目が留まっていた。
それならばと、色のバランスや日持ちなどの条件を度外視して、子どもが野原で気が向くままに花を摘むようなイメージで、目に留まったものから順にガーデンバケツから引き揚げ、店員に手渡した。
自宅に戻って水揚げをして草花をしばらく休ませた後、長さを整えて花瓶に生けた。
ごちゃごちゃしてしまいそうなカラーバリエーションと咲き姿の花々だったけれど、ひとつの花瓶の中で違和感を覚えることなく調和する光景を前に、自然のものたちはこんな風に、いとも簡単に共存し合うのだなと思った。
ザッと挿しただけでも十分素敵だったのだけれど少しだけと、手直ししているとリビングからスマートフォンの着信音が聞こえた。
出れば、久しぶりに聞く耳慣れた友人の声だった。
親戚のお子さんに絵本のプレゼントをしたいのだけれど、何か良い絵本はないかとのこと。
使うものや食べ物、玩具などには、親の好みや考え方、育児方針、その他諸々があるため、絵本を贈りたいのだとか。
シンプルで奥深いメッセージが込められている絵本だからこそ、店頭でパラパラと中身を読んで決めるのが良いのではないかと返すと、「他人ごとだと思って、やる気ある?」と茶目っ気たっぷりに返される始末。
あれやこれやと候補を挙げたのだけれど、最終的に、こぐま社から出ている絵本を選んで贈ることに落ち着いた。
理由はひとつ、絵本のプレゼント以外にも、心温まるプレゼントが付いているからである。
絵本を専門に出版している「こぐま社」の絵本を購入すると、中に愛読書カードというものが入っている。
このカードはアンケートはがきで、手にした本のタイトルや著者名、絵本購入店、保護者の方の氏名やお子さんの名前を書く欄と、ちょっとした質問が書かれている。
これを全て記入して、こぐま社に返送すると、お子さんが10歳になるまで毎年、絵本のキャラクターからバースデーカードが送られてくるのだ。
そして、9歳まではカードなのだけれど10歳のお誕生日には、カードではなくお手紙が届くという、こぐま社の素敵なサービスである。
私は、こぐま社の絵本を小さなオトモダチへプレゼントする際には、このアンケートはがきが付いている絵本を選び、
アンケートはがきにある本のタイトルと著者名、絵本購入店の欄のみ、私が予め代筆しておき、その後の欄は友人や知人に記入して送ってもらうようにしている。
こぐま社の絵本を購入したことがある方や、贈り物としていただいたことがあるという方は多いのだけれど、
この愛読書カードの存在を見落としている方や、お誕生日カードのサービスをご存知ないままカードを破棄してしまう方が、多いのだ。
子どもたちからしてみれば、泣いたり笑ったりの日々を共に過ごしている絵本の中のキャラクターたちから、誕生日を祝ってもらえるなんて、心躍るできごとになるのではないかと思う。
小さなお子さんへのプレゼントに絵本を、と思われている方は、
こぐま社の絵本と10歳まで送り続けて下さるバースデーカードを候補に入れてみてはいかがでしょうか。
こぐま社の絵本を目にする度に、こぐま社の心遣いに感心しきりである。
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