昨年の今頃は、自分の命を守るための水分補給をといった内容の文言を幾度となく見聞きしたけれど、今年の夏は昨年のそれとは少し違うようである。
例年通りとはいかない夏を前に、訪れる季節にも気分や表情、性格のようなものがあるのだろうかと季節を擬人化しつつ、ひと月振りにフラワーショップへ入った。
今年の夏は、切り花の持ちが良かったこともあり、このタイミングで七夕の花からザ・夏の花、向日葵にバトンタッチである。
どのタイプの向日葵にしようかしらと店内を右往左往していると、久しぶりに感じた痒みに足首辺りに視線を向けると、一部分だけがぷっくりと膨れ上がっていた。
油断した……。
蚊に刺されやすい私は、常に虫刺され薬を携帯しているのだけれど、昨年は蚊にとっても酷暑だったようで虫刺され薬の出番はなく、それ以降は薬を携帯しておこうという意識が完全に抜け落ちてしまっていたのだ。
増していく痒みに耐えられず、足首を触りながら向日葵を選んでいると、シナモンの香りは大丈夫ですか?と店員に声をかけられた。
話が読めずに大丈夫ですと答えると、シナモンオイルを含ませてあるというコットンを手渡され、このオイルを両足首にちょんちょんとつけて虫除けにと仰るではないか。
ユーカリの精油を虫除けスプレーにアレンジすることはあるけれど、シナモンオイルも虫除けに!?と尋ねると、
園芸シーンでは、植物を弱らせてしまう菌の繁殖を防いだり、アリを植物に近寄らせたくないときなどにシナモンパウダーを撒くといった使い方をすることがあるのだとか。
このシナモンの性質を利用して、オリーブオイルにシナモンスティックを2週間ほど浸したものが、この日私が手渡されたシナモンオイルである。
このオイルをコットンや素焼きプレートなどに浸み込ませたものを窓辺に置いておくと蚊除けになるそうだ。
2週間の時間を要するという点を思うと、ズボラな私はユーカリオイルを薄めるだけのお手軽スプレーに着地してしまうのだけれど、
うっかり消費期限を切らしてしまったシナモンスティックやシナモンパウダーが出た際には、シナモンオイルを作るもよし、観葉植物の鉢に虫除けとして突き刺したり、振りかけるもよし、という新たな使用方法を知る機会となった。
誰にでも苦手な香りというものはあるけれど、蚊が苦手な香りも1つではないのだなと思う出会いであった。
今年の夏は、昨年、思う様に繁殖できなかったであろう蚊たちが、私たちの血を一族繁栄のためにチューッと吸い上げようと狙っております。
ご自分に合った虫除け対策で、心地良い時間をお過ごしくださいませ。
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