幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

スーパーブルーム、プチ、プティ、バージョンを眺めた日。

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これは、どこに住んで居たときに使っていた鉢だろう……。

外に設置している収納庫内に土と一緒に保管していた鉢を見下ろしながら思った。

記憶を辿ると、一つ、いや二つ前に住んで居た場所で購入した土と鉢であるような気がした。

鉢植えは気に入って購入したものだけれど、我が家の観葉植物たちの体は、もうその鉢に収まるサイズではない。

何も芽吹かぬまま中に入っている土が砂漠化している鉢を収納庫内から外に出し、この辺りで本気を出して処分してしまおうと重い腰を上げた。

マンション暮らしをしていると、土を入手するのも処分するのも何気に簡単ではない。

私は随分と自然から離れた暮らしをしているのだなと、このような時にふと思う。

無性に土地いじりをしたいという欲求に駆られるようなことはないけれど、年齢を十分に重ねた方々が自然に囲まれた土地での暮らしを夢見る気持ちが、ほんの少し分かるような気がした。 

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あれやこれやと思考が飛んでいたからだろうか。

その砂漠化している鉢を目掛けて、無意識にホースの先のシャワーヘッドを向けていた。

濡れてしまっては処分できるものも処分できないではないのだけれど、最後の水でもと、何も芽吹かないであろう鉢に水をかけた。

土が乾くまで放置しておくことにして、数日ほどが経過した頃だ。

砂漠化していた土の表面を小さな芽がびっしりと覆っており、小指の爪先よりも小さな黄色い花が点在していた。

小花の種を撒いたことはなく、それどころか数年以上も放置して砂漠化した表面が、である。

思わず、生命力とは何ぞやと口走りそうになった。

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この小さなハッピーサプライズを見せた小花の名をと調べていると、砂漠が花畑になる現象があるという話に辿り着いた。

この現象は「スーパーブルーム」と呼ばれているそうで、海面水温が平年より高くなって大量の雨を降らせるエルニーニョ現象によって砂漠に大量の雨が降り続くと、

乾いた地面や、旱魃(かんばつ)続きでひび割れた地肌が剥き出しになった地面の下で眠っていた草花の種が目覚め、今だ!と言わんばかりに一斉に開花するという。

下の画像はお借りしたものだけれども、地肌をよく見ると、普段は旱魃(かんばつ)状態だということが分かるのではないだろうか。

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このような現象が起こるのは稀で、数十年に一度くらいの確率で起き、その度に世界中のニュースで取り上げられているそうだ。

我が家の鉢の中と砂漠や旱魃(かんばつ)続きの土地で起きることが同レベルだとは言わないけれど、今回の我が家の鉢植え内で起きたことは、スーパーブルームのプチ、プティ、バージョンくらいは言ってもいいのではないかと密かに思っている。

植物たちの生命力にも驚かされるけれど、恵みの雨とはよく言ったものである。

そのようなことを思いながら、我が家の「スーパーブルーム、プチ、プティ、バージョン」を眺めた日。

画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/