友人からの贈り物の中に、可愛らしいハチのイラストが印象的なカードが添えられていた。
ハチのイラストと聞けば大半が黄色と黒の配色を思い浮かべるのだろうけれど、カードの表紙を飾ってしたのは青い色をしたハチだった。
ハチにも種類があるけれど、このイラストのような青いハチは実在しているハチだ。
しかし、ここ最近では、その生息数が激減しているといい、絶滅危惧種に指定されているという。
いつだったか、知人が青い色をしたハチをモチーフにしたチャームを手にしていたことがあった。
その時の私は、世の中に青い色をしたハチが居るとは知らず、遊び心による青いハチなのだと思い込んでいたのだけれど、青いハチは実在するハチだと知人が教えてくれたのだ。
青いハチと言っても青い全身タイツで体全体を覆われているような姿ではなく、黒地の体に細かい青い毛が生えている部分があり、その青の部分が波模様に見えるのだ。
一般にはブルービーの名で親しまれているといい、青い波模様とチャコールのグラデーションカラーをした羽の配色は、昆虫であることを忘れてしまいそうになるオシャレさである。
時折、このような素敵な配色をした花や昆虫を知る機会があるけれど、自然が生み出すものはいつだって、そのままで完璧だと腑に落ちる瞬間でもある。
そうそう、このブルービーは、少し変わった習性をもったハチとしても名を知られている。
その習性は、私たちが知るハチとは異なり、巣を作らず、蜜を集めることもせず、更には子育てもしないというもの。
ではどうやって種族を存続させているのかと言うと、巣を作り、蜜を集め、子育てを行う他の種類のハチの巣に卵を産み、その巣で育つ子どもたちと一緒に我が子も育ててもらうそうだ。
このように生きていくための諸々を、よく言えば他の種に依頼する者、悪く言えば他の種に寄生する者がいるけれど、ブルービーは、このような労働寄生と呼ばれる習性、生態のハチである。
ブルービーが選んだ生き抜くための術は、とてもラクな生き方であるように見えるけれど、腹の決めっぷりが潔いハチという見方もできるように思う。
自分の種族の存続や繁栄を完全に他に委ねるということは、委ね先の状況によって自分たちの種族の未来も変わるということでもあるのだから。
冒頭で、ブルービーは絶滅危惧種に指定されていると触れたけれど、近年の大きな気候変動や自然環境が減ったことによるミツバチの数の減少によって、その数を大幅に減らし続けているそうだ。
このようなことが関係しているのかどうかまでは、分からないのだけれど、滅多にお目にかかることができないブルービーは「幸せを運んでくる青いハチ」という異名でも知られている。
数そのものが減っていることから、青いハチを目に出来たことそのものが幸運ということなのだろうけれど、誰が言い出したことなのか不明である。
この珍しくて美しいハチ、ブルービーは9月から11月上旬辺りに見ることができるハチだと聞きます。
秋の行楽先で青いハチを目にした際には、訪れたハッピーを楽しんでくださいませ。
私のもとにイラストでやってきたブルービーを眺めつつ、
小さな秋をひとつずつ見つけて、感じて、いい時間を重ねていければと思う午後でございます。
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