ドイツ土産にいただいた雑誌を捲っていると、星占いのようなページがあった。
ドイツにも星占いがあるのかと思い覗き込んでみたけれど、そこはドイツ語。
内容をスペルから想像できるはずもなく、ページを囲んでいる素敵なデザインで目の保養をさせていただくに留まった。
全く分からない言語で書かれている雑誌の、どこが面白いのかと問われたりもするのだけれど、漢字や言葉の引き出しの中身が乏しかった幼き頃に感じた、分からないからこそ得られる高揚感みたいなものがあるような気がして、何度も何度もページを捲っている。
日本とは異なるレイアウトや色使い、掲載写真などを見て楽しんでいると、ふと、英単語のスペルと似通った単語を見つけ、内容をザックリと理解できた気になることがある。
答え合わせの術はないので自己満足ではあるのだけれど、幼き頃に経験した感覚を、今になって改めて疑似体験しているようにも感じられ、ほんの少しテンションが上がるのだ。
そうそう、星占いは西洋占星術などと呼ばれることもあり、本場はイギリスと言われることが多い。
現地で利用した経験はないけれど、占ってくれる場所は多々あったように思う。
今となっては、一度くらい本場の占星術というものを雰囲気も含めて経験してくればよかったと思うけれど、当時の私にはそこまでの気持ちの余裕は無く、仮に経験していたとしても伝えられたメッセージを正しく受け取るだけの語学力やコミュニケーション能力も無かったところを見るに、当時の私とは縁遠いものだったのだろう。
しかし、イギリスで星座による占いはポピュラーなもので、日本同様にカジュアルに楽しまれるもののひとつ存在しており、結果が当たった、当たらなかったと一喜一憂するのではなく、楽しみながら縁起を担いでいるような印象を受けた。
日本で挙式するならば大安に、宝くじを購入するなら一粒万倍日にと言われたりするけれど、それに近い感覚なのかもしれない。
ただ、興味が湧いたのは、割と多くの方々が星座にまつわる話などを知っていたことだろうか。
多分、このようなところが占星術の本場と言われる所以かと今になって思う。
いつぞやかのホームパーティーの席で占星術の話題が出たことがあった。
あまり外国文化と触れ合う機会が無い方たちは、私が日本にも星占いや星座占いがあると言うと、非常に驚いており、宗教的な問題はないのかと問うてきた。
当時の私は、その問いの意味を理解することができず、日本語に長けたイギリス人に通訳をしてもらったところ、占いというものは魔女と繋がりの深いものということもあり、カジュアルに楽しむ人たちがいる一方で嫌厭する人もいることを知らされた。
その場で私が何をどう話して、何を感じたのか、もう覚えてはいないけれど、
一見保守的に見える日本人が一番、受け入れて受け入れたものを進化させる柔軟性を持っているように思う。
そのようなことを思い出しながら、ドイツ語で書かれた星占いを眺めていたのだけれど、私の10月の運勢は良いのか否か知る術はなく、ノープロブレム、オールハッピーで行こうと決めて雑誌を閉じた午後である。
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