今年も、大々的ではないものの日本でもイースターエッグなどの装飾を見かけますね。
昨年のイースターは3月27日だったのですが、今年のイースターは4月16日です。
どうして、日にちに大きな開きがあるのかと言いますと、
古の時代に開かれた会議で、
イースターは、春分の日以降、最初にくる満月から数えて1番めの日曜日にしよう、
と決められたのです。
このルールに基づいて日付が決められているため、
日付は毎年変わり、前年と比べた時に、1か月近くずれることもあるのです。
イースターがどのようなお祭りなのかは過去にお話させていただきましたので、
今回はイースターの時に食べる「クグロフ」のお話を少し、と思っております。
※イースターについては過去記事をどうぞ:イースターって、どのようなお祭り
クグロフというのは、このようなものなのですが、
名前は知らなかったけれど、「これなら見たことある」、「食べたことがある」、
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ですが、クグロフはとても歴史のある食べ物で、その発祥も様々な説があるのです。
大きく分けて2つのタイプのクグロフがあるのですが、
あなたが召し上がったことがあるクグロフは、どちらのタイプのものでしょうか。
そして、あなたの好みのクグロフはどちらでしょうか。
まず、ドイツとの国境近くにあるフランスのアルザス地方が発祥だと言われているクグロフは、
イースト菌を使用して生地を発酵させてあります。
型の底にはアーモンドを、中にはレーズンを仕込み、
仕上げに真っ白な粉砂糖が振りかけてあります。
材料や作る手順を見ると、お菓子というよりはパンでブリオッシュ生地のようなタイプのものです。
もうひとつは、現在のチェコの西部・中部地方辺りのボヘミア地方が発祥だと言われているクグロフ。
こちらは、バターケーキに似た材料や手順で作られており、
パンというよりは、帽子や王冠の形をしたパウンドケーキのようなタイプです。
そして、このクグロフは2つのタイプに分かれているだけではありません。
発祥に関しても諸説あるのです。
そのひとつが、クグロフは、あのマリー・アントワネットもお気に入りだったこともあり、
彼女がオーストリアからフランスへ持ち込んだという説。
よく耳にするのは、このマリー・アントワネット説のような印象があるのですが、
もうひとつ、マリー・アントワネットがフランスに持ち込む以前に、
キリストの誕生を祝った東方の三博士(占星術師とも)が、
一宿一飯の恩義のお礼として焼いたものだ、という説があるといいます。
三博士(占星術師とも)の説があるからでしょうか、
クグロフは、イースターに限らず、クリスマスやお誕生日、結婚式など、
おもてなしのシーンやお祝いのシーンなど様々なにも準備されます。
※三博士は、こちらの過去記事にも登場しています。ご興味ありましたらこちらもどうぞ
:オトナの知識|クリスマスツリーのてっぺんに飾られている星の名前とは?てっぺんの星が持つエピソードとは?
このような背景があるクグロフですので、
皆さんも「パン屋さんで見かけるあれね」と思われた方と、
「ケーキ屋さんで見かけるあれね」と思われた方といらっしゃるのではないでしょうか。
もし、どちらか片方しか召し上がったことがないようであれば、
今年は、もう片方のクグロフを味わってみてはいかがでしょうか。
私は、ヨーロッパ滞在中にパウンドケーキタイプをよく口にしていたせいか、
クグロフを購入するときにはつい焼き菓子タイプに手が伸びてしまうのですが、
今年はフワッとしたパンタイプを楽しんでみようかと思っております。
他にもヨーロッパでは、「アニョパスカル」という名の
羊を模ったビスキュイ生地のお菓子もあるのですが、
こちらのお話は、また機会がありましたら……。
イースターは春をお祝いするお祭りです。
今年も春を思いっきり感じて、楽しんでくださいませ。
関連記事: