そろそろ梅雨入りする頃だろうか。
天気予報サイトをのぞきこみながら、そのようなことを思った。
思い出しついでにと玄関へ向かって取り出したのはレインブーツと真新しい傘である。
それらを手に取りやすい位置に配置し直してリビングへと戻った。
ワタクシ、傘を無くす才能がずば抜けているように思う。
何とかして傘の最期を見届けようと、思いついた全ての策を試してみたのだけれど、その願いは叶うことなく、それなりの年齢であるにも関わらず愛用傘は透明のビニール傘である。
ビニール傘のクオリティーも上がっており、雨の日を快適にサポートしてくれている頼れるアイテムなのだけれど、ビニール製ではない傘への憧れは消えぬまま過ごしていた今年4月のこと。
そのような私の気持ちを知ってか知らでか、素敵な傘をプレゼントしていただいたのである。
フランスには、室内で傘を広げたらアンラッキーがやってくるという迷信があるため、フランス人がいる室内で傘を広げたら怪訝な顔をされてしまうけれど、ここは日本。
私は、晴れやかな気持ちでプレゼントの傘を室内で広げた。
ビニール素材には出せない、パンッというハリのある音に気分が高揚した。
その素敵な傘を室内でさしながら梅雨を待ち遠しく思った4月から時は流れ、ようやく、その梅雨がやってくるのである。
もちろん、ワクワクしているのだけれど、今度は私の胸中に「絶対に無くせない」というプレッシャーが生まれていることに気が付いた。
友人にそう話すと、何なら名前でも書いておけばと揶揄われるけれど、今年は背筋がスッと伸びる梅雨入りとなりそうである。
梅雨と言えば、香水や柔軟剤といった香りの扱いが変わるタイミングでもある。
と言うのは、人は、晴れている日と雨が降っている日とでは、香りの感じ方が異なるからだ。
私たちの鼻は、香り成分が蒸発する瞬間の香りを感じていると言われている。
例えば、朝に纏った香水や衣類に付いている柔軟剤の香りが夜になると薄くなるのは、時間を経つにつれ香り成分が蒸発し、感じられる香り成分そのものも消えてしまうため。
香水や柔軟剤によっては香りが消えて(飛んで)しまうのが早いもの、なかなか香りが消えない(飛ばない)ものなどあるけれど、これは香りが蒸発するまでの時間を、成分の配合割合を使って調整してあるということである。
このような性質を持つ香りだけれど、雨が降っているときや梅雨などの湿度が高い時季というのは、空気中に十分な水分が含まれているため、香り成分が完全に蒸発するまでに時間がかかってしまうことになる。
そうすると、普段と同じ量の香りを纏っていても、普段と同じように香りが消えるわけではないため、香りがキツイと感じる機会が増えると言う。
また、甘い香り、重めの香り、濃厚な香りなどと表現されるような香りを好んで使う方は、その手の香りに慣れていない方に数割増甘く、重く、濃厚に感じさせてしまうため、梅雨の時期の香水や柔軟剤は、普段よりも気持ち少なめに使用すると、香りを素敵に纏うことができるのである。
柔軟剤や香水など使い慣れているものは、使用量を減らすと全く香っていないように感じられて不安に思うこともあるけれど、
梅雨の期間中は、それくらいの使用量で普段と同じ香りを纏えていることを覚えておくと、知らぬ間に自分が香害のもとになることを防ぐことができるように思う。
梅雨の時期も、お好きな香りを上手に纏うヒントにしていただけましたら幸いです。
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/