コオロギせんべいか、そう思いながら画面を覗き込んだ。
以前、昆虫食の話題に触れたことがある。
古より昆虫を貴重なたんぱく源として食している方々は、国内外を問わず大勢居らっしゃるけれど、昨今は、これから来るであろう食糧危機対策や地球温暖化対策として、昆虫食が世界中で注目されている。
地球の温暖化が食糧危機に繋がることはすぐに想像できると思うのだけれど、温暖化対策と昆虫食はどこで繋がるの?と思われる方もいらっしゃるかと。
その説明として挙げられているものの中に、牛肉の話がある。
私たちが牛肉を様々な形で消費すればするほど、育てなくてはいけない牛の数は増えることとなる。
そうすると、牛を育てるために必要な水や飼料の量も、素人には想像できないほど増えるということである。
そして、これらをたっぷりと摂取した牛たちは、当然、ゲップもしてしまうだろう。
ゲップくらいしたいときにさせてあげればいいじゃないかと思うけれど、彼らが発するゲップには地球温暖化を早めてしまうガスが含まれているそうで、
私たちが美味しいお肉を食べれば食べるほど、地球環境は私たちが望まぬ方向へ進んでいくという。
牛肉を食べたらいけないということではなく、美味しく、ありがたくいただけばいいのだけれど、今の私たちの食生活は、度が過ぎているようなのだ。
そこで、改めて注目されはじめたのが昆虫食である。
昆虫にも色々とあるけれど、中でも、コオロギは全ての面において魅力的な食材になり得るという。
念のために書き添えておくけれど、ここで言うところのコオロギは、食用として育てられた安心、安全なコオロギの話。
まず、成長が非常に早く、約1カ月ほどで食材として扱うことができる状態に育つのだそう。
餌に関しても、コオロギにも多少の好みはあるようだけれど基本は雑食なので、廃棄食材などを上手に活用することができる上に、これは他の食材を無駄にしないことにも繋がると言われている。
更に、広大な土地を必要としないコオロギは、様々なコストカットをも可能にするという。
そして、注目すべき点は、その栄養価だ。
小さな体の中に含まれているのは、たんぱく質、ビタミンや鉄分、カルシウムやマグネシウム、亜鉛といった健康食品で取り上げられるような魅力的なものばかり。
たんぱく質に至っては、牛肉や豚肉、鶏肉などの数倍だというから、生きていくための栄養源としては申し分ないようだ。
こういった様々な理由から、各国で昆虫が注目されているのだけれど、慎重な国民性が影響しているからなのか、日本では研究は進められてはいるものの、世界の国々と比較するとスロースターターのような印象があった。
しかし、夏前辺りだっただろうか。
無印良品が「コオロギせんべい」なるものの販売を始めたのだ。
ニュースにもなっていたけれど、試行錯誤の末、コオロギパウダーをおせんべいに混ぜ込むというスタイルに辿り着き、コオロギせんべいが誕生したそうだ。
私はまだ、コオロギせんべいを口に出来ていないのだけれど、そろそろ店頭にも並んでいる頃なので、経験してみようかと思っているところである。
様々な方の感想を見ると、コオロギにはエビやカニのような香ばしさがあるようで、コオロギせんべいは、エビせんべいのような味だという。
日本では昆虫食以外にも、温暖化の影響で白米を育てられなくなったときの為の代替食材のひとつとして、キャッサバの栽培や研究なども行われている。
キャッサバは、タピオカの原料である。
将来を見据えた準備や心構えももちろん必要で、素晴らしい取り組みなのだけれど、できればそのような食材に完全にシフトするような未来ではなく、四季折々の美味しさを楽しむことができる未来を選びたいと思う。
今回は、コオロギせんべいの話題をシェアさせていただきましたけれど、何かしらのキッカケにしていただけましたら幸いです。
※コオロギパウダーにはエビやカニと同じようなアレルギー成分が含まれているようなので、コオロギせんべいを経験してみようかと思っている方で甲殻類のアレルギーをお持ちの方は、十分にご注意くださいませ。
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