青い空に肉厚な白い雲が浮かんでいた。
摘まめば跳ね返ってきそうな膨らみ方をしていたものだから、つい、子どもっぽい想像が広がってしまった。
いつの間にか8月かと思っていると、チャイムが鳴った。
宅配業者の方である。
暑い中、マスクをした状態での配達は、想像以上に大変だろうと思う。
我が家は非対面受け取りがすっかり定着した。
配達担当の方も勝手知ったるといった感じで、こちらからお願いをする前に「玄関前に置いておきますね」と明るい声で伝えてくださり、ありがたい。
正しく届けてくださるという信頼や、荷物が紛失することはないという安心感がある平和な国だからできる非対面受け取りであるようにも思えて、良い意味で、古き良き時代の光景を思い浮かべたりもした。
この日届けられた荷物は、昨年の秋頃から会えていない友人からの差し入れだった。
箱の中には、私好みの色々なものが詰められており、友人の心配りが嬉しく、私もこういう優しさを忘れずにいたいと思った。
その中のひとつに、麻模様が織り込まれた麻素材のランチョンマットが入っていた。
友人とは我が家で食事をする機会が多かったもともあり、食器類のラインナップも熟知しているからだろう。
長年使っているような気分になるランチョンマットのチョイスに、つい口元が緩んでしまった。
そして、この時季は麻の成長が盛んな時季でもあるので、季節を感じられる柄を選択したに違いないと、さり気ない心配りにも歓心した。
麻と言えば、暑い季節に重宝する素材のひとつでもあるので、女性の方は夏のお洋服で手に取る方も多いのではないだろうか。
麻と一口に言っても、使えば使うほどコットンのように柔らかな手触りに変わるタイプの麻と、水を通しても強いハリ感をキープするタイプものが日本にはあるので、麻100%の品物を手に取ると、その使われている麻のタイプによって好みが大きく分かれるように思う。
双方に異なる良さがあるので、ものによって使い分けたり、好みの風合いのものを探したり、程よくブレンドされたものを探すなどすれば良いのだけれど、
好みではない肌触りの麻商品に立て続けに出会ってしまった方の中には、麻はそのような素材だと知らぬ間にインプットされて「麻」と聞くだけで避ける方もいらっしゃると耳にすることがある。
しかし、それはとてももったいない。
近年は、加工技術が進化していたり、麻に他素材をブレンドして良いとこ取りをした生地なども多く出ており、多くの方が楽しめる素材であるように思う。
いつの間にか毛嫌いしてしまっていると言う方は、この機会に、これまでの感覚をリセットして麻に出会い直してみるのも楽しいのではないだろうか。
私は、麻の実から採れる麻の実オイルを常備しており、ドレッシングなどに使っているのだけれど、エアコンで肌が乾燥するようなときには、このようなオイルを摂ると、内側から肌を整えることができると言われている。
また、青魚に含まれているDHAやEPAも豊富に含まれているので、お魚を食べない日のサラダに少量かけるなどすると美容と健康を同時に底上げすることができるように思う。
旬のものには、その時季を健やかに過ごすヒントが詰まっています。
今年の夏は、お好きな視点で「麻」に触れてみてはいかがでしょうか。
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