最後に食べたのがいつだったか覚えていないほど久しぶりに、グラタンを作った。
グラタンの表面には、味見をしたい衝動を抑えながらカット済みタイプのチーズを散らした。
カット済みタイプのナチュラルチーズが袋詰めされたチーズがあるけれど、この手の商品パッケージの裏には、決まって「加熱してから食べてください」「加熱用」などと記されている。
しかも、この表記は年々大きくなり太字で強調されるようになったように思う。
純粋なチーズだけではない何かが混ぜ込まれているのであれば、加熱調理が必要だということも理解できるのだけれど、純粋なチーズのみだというのに何故加熱が必要なのだろうと思ったことがあった。
しかし、あまり深いことを考えぬままキッチンでチーズをつまみ食いすることもあった。
よく利用しているチーズ店の店主にそう話したところ、グラタンやピザ用に予めカットされているチーズの中には、そのまま食べない方が良いチーズが混ざっているものもあるので、より安全に、より美味しく食べるんどえあれば、記載通りに加熱したほうが良いとアドバイスいただいたのである。
今回は、そのようなお話を少しと思っております。
ご興味ありましたら、チラリ、のぞいていってくださいませ。
どうしてこの手のチーズは過熱しなくてはいけないのか。
日本で加工、製造されている加熱用のチーズは、生のまま食べても問題ないほど安全に配慮されているものが多く、加熱を必要としている理由を強いて挙げるならば、加熱したときに最も美味しくなるよう計算してあるため「加熱」をすすめているようだ。
しかし、使用しているナチュラルチーズの中には、食中毒の原因となるリステリア菌が含まれていることもあるという。
リステリア菌とは、動物の腸内や環境下でよくみられる細菌で、食品を介して食中毒を引き起こすそうで、欧米ではナチュラルチーズなどによる食中毒が発生しているのだとか。
日本では耳慣れない菌ではあるけれど、日本でも数は少ないものの、乳製品や食肉加工品などからリステリアが検出されているとのことで、厚生労働省は食品を取り扱う事業者の方へ向けて、注意を促しているという。
この菌、多くの菌が死滅するような環境にも耐えることができる厄介なものではあるけれど、十分に加熱することで死滅することが分かっているようなので、
安全に仕上げてくださっているものであっても「加熱してから食べてください」「加熱用」などと記されているものは、そのアドバイスに従うことで安全と美味しさがより増すようである。
加熱を必要としている理由が「美味しさ」だけでなはないことを知っていれば、国産、国内産、輸入チーズを問わず臨機応変に、チーズをより美味しく、より安全に召し上がることができるかと思います。
チーズを使う機会がありました折には、チラリと思い出していただきまして、必要であればしっかりと過熱してからお楽しみくださいませ。
口福な食卓の、何かしらのヒントにしていただけましたら幸いです。
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