30分ほどの時間ができたので、アルバム整理をすることにした。
ここ数年、暇を見つけては進めている作業なのだけれど、もうしばらく終わりそうにない。
終わらない原因は写真に見入ってしまうことだと分かってはいる。
しかし、アルバム整理にそれは付き物だという諦めもあってか、この作業のゴールは未だ見えぬままである。
この日は、外国で撮ったものを中心に整理していたのだけれど、高い場所から撮影したものが続いた。
高い場所に苦手意識を持つ私が撮ったとは思えないようなアングル写真の数々を仕分けていると、私の体が当時の記憶を覚えていたのか思い出したのか、座った状態であるにも関わらず、足がすくむような感覚が全身をすーっと駆け抜けた。
私の周りには、あの、足がすくむ感覚をワクワクする感覚だと表現する友人が複数いるけれど私は苦手である。
そのような話を、仕事をご一緒した方に話したことがあるのだけれど、あの感覚は眩暈の一種だと教えていただいた。
眩暈と一口に言っても、それを引き起こす原因は様々。
私のように高い場所を苦手だと感じて起きる眩暈は、知覚神経と大脳の表面に広がる神経の繋がりによって起きるそうだ。
そして、苦手意識に恐怖感が加わると、恐怖感は平衡感覚が機能しなくなるよう働くそうで、より強い眩暈が起きるという。
他にも車酔いや船酔いのような眩暈があるけれど、こちらは三半規管と繋がっている知覚神経に何らかの刺激が加わることで平衡感覚を失い、眩暈が起きるそうだ。
私は高い場所も苦手だけれど、知覚神経が過敏なのか、両方の眩暈が起きやすいように思う。
いつだったか友人たちと出かけた旅先で、トリックアートが集められた施設を訪れたことがある。
子供向けの施設だったこともあり、当初は行く予定ではなかった場所なのだけれど、時間調整と休憩を兼ねて入ってみることにした場所だ。
トリックアートを観たり、不思議な写真を撮ったりしながら園内を進むと、トリックアートとアスレチック的な要素を組み合わせたような体験型ゾーンがあった。
目から入る情報と体感とのズレに脳が混乱し、真っ直ぐ歩く、真上にジャンプするといった簡単なことができなくなるという状況に、意外なほど盛り上がったのだけれど、あの時の状況を思い返すと、苦手意識や恐怖心の度合いによって眩暈の現れ方も、大きな差があったように思う。
高い場所から見る景色は開放的で気持ちが良いものですけれど、場所や状況によっては、足がすくんで鳥肌のようなものが全身をスーッと駆け抜けていくことも。
そのようなときには、今回の足がすくむカラクリをちらりと思い出していただきまして、深呼吸をしてみてはいかがでしょうか。
苦手意識や恐怖感がほんの少し和らぎ、景色の見え方も少しだけ変わるように思います。
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