数年分のファイル整理をしていたら、はらりと1枚の写真が落ちてきた。
随分と前のものだけれど、
友人からの海外旅行のお土産に同封してあった
現地で撮ったというイルカの写真。
きっと資料を捲りつつ目の保養に眺めていてファイルに挟んだままにしてしまったのだろう。
四隅は少しだけ色褪せていた。
写真に収められているイルカはとてもキュートなピンクイルカ。
私は友人から写真を贈ってもらうまでピンクイルカの存在を知らなかったのだけれども、
最近ではテレビ番組で取り上げられることがあったり、
ピンクイルカの画像を待ち受けにしていると素敵なことが起こる、かも?
といったことも囁かれていたりもして、知名度も上がってきているのかもしれない。
ピンクイルカ(ピンクドルフィン)は生まれ育った場所を離れることはなく、
主に中国、タイ、ベトナムの河口付近の割と浅い海に生息しているのだそう。
体は生まれた時からピンク色をしている訳ではなく、
黒い姿で生まれ、成長するにつれて一般的なイルカと同じグレーへと変化。
この時期は、そばかすのようなグレーの斑点が体中に目立つのだとか。
こちらがピンクイルカの成長過程です。
人間に例えると日焼けをして皮が剥けはじめた頃のような感じだろうか。
画像の中のイルカも既に素敵なピンク色の部分がチラリ覗いているけれど、
このグレー斑点が大人になるにしたがって消えていき、
全身がピンク色に変化していく。
ただ、このきれいなピンク色に変身できるのは大人のメスだけで、
大人のオスは白くなるのだそう。
紅(ピンク)白イルカだなんて!
単純だけれども、見ているだけでハッピーになれそうな気がするではないか。
このピンクイルカが生息している国々には、
船で海へ出てピンクイルカを観察したり、触れ合う観光プランがあったり、
ピンクイルカのショーや記念撮影を楽しむこともできる施設などもあるようで、
世界中からピンクイルカをひと目見ようと人々が集まるのだそう。
本当にキュートなピンク色だもの。
ひと目でもいいからという気持ちは私にもわかる。
そして、いつだって人間が作り出す色は自然の色には敵わないのだなと
ピンクイルカの写真を眺めると思うのだ。
現在、ピンクイルカは、絶滅危惧種に指定されており、
年々その数が減少しているのだとか。
これは、人間によって魚が乱獲され、
ピンクイルカの食糧となる魚の量が不安定であることや
工業排水や生活排水による水質汚染が生息地の環境を破壊していたり、
イルカたちの体へ悪影響を与えていたり、ということが理由。
日本にも私たちが知る以上に絶滅危惧種に指定されている動物たちがいるけれど、
海外でも抱えている問題は同じで、
それらの問題に大きく関わっているのはいつだって「ヒト」。
自分の意識を変えて、生活を見直して、それを維持していくということは、
簡単なことではないけれど、
小さな何かを重ねることができたのなら、
いつか巡り巡って「ヒト」も思わぬ何かに助けられる、なんてこともあるのかもしれない。