その日はお食事会の予定があり行き先は決まっていたのだけれど、
せっかくなのでアペロでもしようかという流れでオイスターバーのエントランスを潜った。
陽が落ちてからそう経ってはいない時間帯だったということもあり、
テーブル席には小学生くらいのお子さんを連れたご家族の姿もありました。
私たちは料理人の方々の華麗な手捌きを見ることが好きなこともありカウンター席へと座りました。
お料理とお酒を味わいながらお喋りに花を咲かせつつ過ごしていると、
ご家族連れのテーブルにお行儀よく座る女の子の姿が視界に入りました。
小柄な様子と幼げな表情から小学校低学年くらいかしらと思っていると、
小さめのワイングラスに注がれたオレンジジュースらしきものを手に取りました。
女の子は、クイッ、クイッとふた口ほどそれを飲みグラスをテーブルに置くと、
スッと指先でグラスの縁を拭ったのです。
その仕草がスマートで妙に大人っぽくてつい見入ってしまいました。
口紅を塗っている様には見えなかったため、
ご両親にお作法として教わったのか、大人の仕草を見て真似するようになったのか。
どちらにしても、昨日今日覚えた仕草とは思えないくらい馴染んでいたのです。
女性の皆さんは、お食事中の口紅のお作法は大丈夫でしょうか。
そろそろ春らしい素敵な口紅を新調される方もいらっしゃるかと思いますので、
この機会に普段のご自分の癖をチェックしてみませんか?
口紅がお箸やグラスの縁などに付くのはよろしくないとされております。
色移りしない、落ちにくい口紅というものを使うのも手なのですが、
唇に潤いが不足するような印象を受けるものも多いため、
水分と油分をたっぷり含んだ潤いのあるテクスチャーのものや、
グロスなどを好む方も多いのではないでしょうか。
このようなテクスチャーの口紅をお使いの方は、
“お食事前にティッシュやお懐紙で口紅を軽く押さえておきましょう。”
これをしておくだけで、見苦しいくらいベットリとついてしまうことを防ぐことができます。
ですが、これだけでは不十分です。
本来はグラスなどに付いた口紅を指で拭うこともよろしくないとされておりますが、
ベットリとついた見苦しい状態を放置するよりは良いということで、
“さり気なく親指と人差し指をグラスの縁に沿って滑らせて口紅を拭い取り”ます。
そして、“その指先についている口紅を自分のハンカチやお懐紙、ティッシュなどで拭き取ります。”
ただ、この時、お店が準備してくださっているナフキンやおしぼりを使うのはよろしくありません。
周りの方への気配りだけではなく、お店側への気配りもできればスマートさ倍増です。
グラスだけではなく、お食事が終わった時には、お箸の確認もお忘れなく。
飲食業の方にお話をお伺いしてみると、
お箸に口紅を付けたまま席を立つ女性は意外と多いらしいのです。
このような時には“箸袋にお箸の先を入れるか、ティッシュや紙ナフキン、お懐紙などで軽く拭いましょう。”
そして、使い終えたティッシュ、紙ナフキン、お懐紙も汚れが見えないように、
片付けて下さる方に不快な思いをさせないような、
あなたらしい気遣いを添えてみて下さいませ。
関連記事: