幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

皆さんは「江戸しぐさ」をどう思われますか?

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皆さんは「江戸しぐさ」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。

簡単に説明しますと、江戸時代の人々が、一期一会も含めて、

接する相手と良い関係を築いたり、良い関係を保つためのコツ、

マナーとして行っていた「しぐさ」のことだと言われております。

例えば、傘をさしている時に、傘をさしている人とすれ違う時。

お互いに、ぶつからないように少しずつ傘を傾け合ってすれ違うしぐさがありますが、

これは「傘かしげ」と名付けられているようです。

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これらは、「江戸しぐさ」という素敵なネーミングと、思いやりが感じられるしぐさであることから、

人を引き付けるような物語が添えられて小学校の授業で触れらたり、

テレビコマーシャルに器用されたり、

企業が行うマナー研修等で扱われることもあるようです。

しかし、この「江戸しぐさ」と呼ばれるものは、

「実際に江戸時代の人々が使っていた」と言い切ることが出来るほどの

証拠となるものは無いと言われています。

江戸しぐさを検証、研究されている方の、あるお話では、

江戸時代の人たちにとって傘は贅沢品。

その贅沢品である傘を皆が当たり前のように持っていたわけではないですし、

当時の建物の構造などを考えますと、

「傘かしげ」というしぐさは、迷惑行為になる可能性もある。のだとか。

 

ですから、「江戸しぐさ」と言うものに関しては賛否両論があり、

誰かが現代用につくりあげたものだろう、と推測されています。

「江戸しぐさ」が注目されるのと同時に、

「江戸しぐさ」と呼ばれるようなものは無かったということも取り上げられるようになり、

「あった」、「無かった」、「偽り」、「空想」という点にフォーカスされることも増えています。

皆が期待していたような歴史や伝統が無かったとしても、

相手を思いやる心の見える素敵な仕草だからこそ、

現代の多くの人々が様々なシチュエーションで触れたいと感じていることも事実。

マナーと呼ばれるものも言葉と同じで時代と共に変化もしますし、良いものは残っていくでしょう。

私の個人的な感じ方ではありますが、

例え、歴史が無かったとしても、誰が作ったのか分からなかったとしても、

良いものは取り入れ、触れて行けば良いのではないだろうか、と思います。

もしかしたら、これから何十年も先に

今「江戸しぐさ」と呼ばれているものが本物の「江戸しぐさ」になるかもしれませんし、

もっと素敵なネーミングを得て世の中に再登場などということも考えられますよね。

ある意味、時代を作っている最中なのでは?とも感じるのです。

 

ただ、歴史や伝統があると言えるような裏付けがないのであれば、

無いなりの触れ方、扱い方、伝え方をする必要はあると思うのです。

教育現場での扱い方に対しても様々な指摘があるようですが、

この際、歴史や伝統が無いと言われているけれど、

どうして「江戸しぐさ」と言うものが出てきて、皆が触れたくなっているのか。

そのような視点で考えてみるのも面白い気がするのですが、安直すぎるでしょうか。

思いやりの感じられるしぐさですので、「しぐさ」は「しぐさ」として受け止めつつ、

真実を見る目も忘れずにいたい。

私にとっては、そのようなことを思わせる「江戸しぐさ」です。

皆さんは「江戸しぐさ」をどのような視点でご覧になりますか?

関連書籍:江戸しぐさの正体―教育をむしばむ偽りの伝統(星海社新書)原田実(著)

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