飛び込みで入ったお店の店員に、食後に杏仁豆腐をお持ちしますと言われ、
杏仁豆腐好きな私のテンションが静かに上がった。
このお店では2種類の杏仁豆腐から好みのものを選ぶことがでるというので、
私は、もっちり且つ、なめらかな舌触りで濃い味わいのタイプをお願いした。
一方、一緒に食事をしていた知人は、少し固めでサッパリとした味わいの杏仁豆腐を
甘さ控えめのシロップと共にいただくタイプのものをお願いしていた。
今ではすっかりお馴染みのデザートのひとつとなった杏仁豆腐だけれども、
もともとはヘルシーで胃腸に負担をかけない薬膳料理のひとつ。
この機会に杏仁豆腐のもととなる杏仁の薬効と、
市販されている杏仁豆腐を選ぶ際のポイントを簡単に覗いてみませんか?
杏仁豆腐のもとになっている杏仁(きょうにん)とは、杏子(あんず)の種の中にある仁(さね)の部分のことをで、
一般的には仁(さね)を粉末にしたものに甘みを加えた状態の、
杏仁霜(きょうにんそう/あんにんそう)と呼ばれる食材を使用します。
どうして杏仁を「あんにん」ではなく「きょうにん」と呼ぶのか。
これは、漢方薬の素材として呼ぶときには「杏仁(きょうにん)」と呼び、
スイーツとして呼ぶときには「杏仁(あんにん)」と、呼び分けられているためです。
仁(さね)の香りはアーモンドと似ているため、
アーモンドエッセンスなどで風味をつけている杏仁豆腐も多いように感じます。
また、市販されている杏仁豆腐の素もよく見ますと、
杏子(あんず)の種ではなくアーモンドエッセンスが使用されていることがあるため、
杏仁の効果、効能を期待されるのであれば
「杏仁(きょうにん/あんにん)」が使われているのかどうかをチェックするとよいかと思います。
杏仁豆腐は、思っているよりも簡単に作ることができるデザートで、
ネット上にもたくさんのレシピがあります。
仁(さね)を粉末にして甘みを加えた杏仁霜(きょうにんそう/あんにんそう)と呼ばれる食材と
クコの実を購入し自分好みの杏仁豆腐を楽しんでみるのもおすすめです。
さて、杏仁(きょうにん)が持つ薬効ですが、
主に、咳やぜんそくといった喉のトラブルや違和感を緩和、解消するために用いられております。
また、大腸や肺の働きを健やかにしたり、潤い補給の効果もあると言われておりますので、
腸や肺、お肌を潤わせながら便秘解消、お肌の乾燥対策などができる嬉しい食材です。
ただ、杏仁(きょうにん)には、苦みのある漢方に適した品種と、
甘くてスイーツに適した品種があります。
前者の苦みのあるものを大量に入手したり、摂取する機会は無いと思いますが、
こちらの原材料には、微量の毒が含まれているため、
使用する際には、しっかりと毒が取り除かれているものを、専門家の指示に従って使うことをおすすめ致します。
今年の夏は、冷たくて優しい甘さの杏仁豆腐で暑い体を程よくクールダウンさせつつ、
夏の日差しで乾燥しがちなお肌も内側から潤してみてはいかがでしょうか。