お盆も過ぎ、栗やお芋など、代表的な秋の味覚を目にする機会が増えた。
日差しの色合いは深みが増し、
街中では秋を取り入れ始めたファッションに目が留まり、
自然を感じられる場所に足を運べば、トンボの姿が目に入り、
青々とした稲からは、ほのかにお米の香りが感じられるようになってきた。
日常の中に少しずつチラつき始めた秋の気配に気づき、苦手な夏が過ぎゆこうとしていることに安堵しながらも、
その移り変わりを寂しくも感じている自分の勝手さに少しだけ呆れながら野菜室を開けた。
そろそろ夏野菜も味わい納め。
野菜室に横たわっていたトウモロコシと枝豆を取り出し、キッチンに立った。
枝豆はしっかりと洗ってお塩とガーリックパウダーをまぶしたら、
オリーブオイルを引いたフライパンに重ならないように敷き詰めて蓋をして
さやに焦げ目がつくまで蒸し焼きにする。
もう、すっかり巷に定着した焼き枝豆は、
茹でた枝豆以上に栄養素を取りこぼすことなく口にできる上に、
味のバリエーションも広げやすい嬉しい調理法だ。
フライパンの洗い物を増やしたくない場合やオイルを控えたい場合は、
ガスコンロのグリルにアルミホイルを敷き、
重ならないように隙間を作りながら枝豆を敷き詰めて、更にアルミホイルで覆い密封にし、
弱火で10分~15分くらいで出来上がるかと。
※上下から加熱できるタイプのガスコンロの場合。
そのようにして枝豆を焼いている間に、
トウモロコシは、出来るだけシート状になるようにして削ぎ落して片栗粉をまぶし、
熱したフライパンにバターを落としたら揚げ焼きに。
最後に牡蠣醤油に昆布を漬けた自家製の変わり醤油をちょろっと絡めて出来上がり。
お気に入りのお皿に盛り付けるのだけれども、
キッチンに立ったまま、出来立てアツアツの甘いトウモロコシの唐揚げを摘み食いをするのが私の密かな楽しみだ。
キッチンに甘いトウモロコシと、塩気を含んだ焼き枝豆のガーリックの夏の香りが広がった。
季節を問わず、いつでも手に入る夏野菜だけれども、
旬と言われる時期の空気と共に味わうのは格別のような気がしている。
日々のあれやこれやに追われていると、気付いたときには秋が深まっていた。
ということもよくあること。
今年の夏に悔いを残さないように、日々を、暮らしを、丁寧に重ねていけたなら。
そのように思う今日この頃だ。
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