山芋を買おう。
そう思い立って出かけたはずなのに、帰宅時に手にしていた袋の中に、山芋の姿は無かった。
これまでの人生の中で、こんな風に山芋のことを忘れたことは一度や二度ではない。
お相手が山芋だったから事なきを得ているけれど、
このお相手が、お付き合いし始めたばかりの恋人であったなら、間違いなく即アウトである。
注意力や記憶力、山芋に対して感じている、その時々の重要度といった
本人の意識の類の匙加減ひとつではあるのだろうけれど、
それらを棚に上げて気ままに発言させていただくとしたら、
「地味なんですもの。カラフルな野菜に気を取られている隙に忘れてしまいますよ」と言いたいところだ。
実際に、栄養士の資格を持つ友人に、このようなどうでも良い話を聞かせた私は、
山芋の存在を際立たせるような小話は無い?と無茶ぶりをした。
「小話って……」と言いながら困った顔をした友人だったけれど、
小話は無いけれど、アレルギーが無いのであれば、山芋は食べた方がいいと思うよと言った。
今回は、その時に入手した山芋のお話を少し、と思っております。
山芋を召し上がる機会がある方は、ちらり、覘いていってくださいませ。
山芋には炭水化物以外にもビタミンやミネラルがバランスよく含まれている上に、
生で食べられることから、体内では作ることができない酵素をたっぷり摂取することができます。
お芋類は、毒性をもった物が多いため、
そのほとんどが、火を通してから食べなくてはいけないことが多いけれど、
山芋は、生で食べられるという点からみても几帳なお芋です。
含まれている栄養による効果には、このようなものがある。
食べたものの消化吸収を助ける働きと同時に、
胃の粘膜を保護し、糖質の吸収を抑えて血糖値の上昇を穏やかにする効果。
これらは、糖尿病や高脂血症の予防にも繋がります。
更に、体内に溜め込まれた不要なもの、老廃物を排出するため、
便秘予防や便秘改善の働きやダイエット効果も。
他にも、肝臓や脾臓の働きを助け、疲労回復や滋養強壮効果も期待できるため、
美味しいものには目が無いという方や、外食が多い方、お酒を召し上がる機会が多い方など、
大人には特にありがたい働きが満載です。
また、免疫細胞を増やす働きを得意とする成分も含まれているため、
風邪、感染症、ガンといった症状も予防することができます。
日本人の食生活が欧米化してきたことや、
運動不足、お酒やタバコによるダメージの積み重ねによって、
大腸ガンを患う方が増えていると言いますが、
山芋の成分は、これらを防ぐための土台作りに取り入れることができる食材のひとつです。
先日、スマホ認知症を引き起こす可能性のお話をさせていただいたのですが、記憶に残っていらっしゃいますでしょうか。
山芋に含まれている成分には、
認知症を引き起こすと言われている物質を減少させる効果があるそうで、
認知症予防への期待も高まっているのだそう。
ネバネバものは体に良いと言いますが、山芋は、
スマートフォンが生活の一部になっており、食生活も欧米化している私たちにとって、
様々な現代病を予防してくれるチカラを秘めているようです。
山芋は、食材として必要にならない限り手に取らないというご家庭も多いように思いますが、
それは少し勿体ないかもしれません。
栄養バランスを取っているつもりでも、調理する方の嗜好やその他の癖によって
栄養バランスにはご家庭の特徴が出ていたりするといいます。
山芋は栄養バランスが良いだけではなく保存できる便利な食材ですので、
最近、山芋を口にしていないかもと思われた方は、
体に山芋のチカラを届けてみてはいかがでしょうか。
効果、効能ばかりを意識していては、美味しい食材も味気ないものになってしまいます。
知識をインプットした後は、美味しく楽しく召し上がってくださいませ。
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