外から室内へ流れ込んでくる風が心地良い季節は、本当にありがたい。
年中、ハードワークを強いられている我が家のエアコンたちも、
そのお役目を自然の風に託し、束の間の休息を取っている。
開け放している窓からは様々な音が入ってくる。
そのほとんどが人工的な音だけれど、その日は、子どもの可愛らしい音読が聞こえてきた。
昔話のようなストーリー展開のように思えていたのだけれど、
度重なる予想を裏切る息継ぎと、漢字を飛ばし飛ばし読んでいるように思える音読のおかげで、
これはどの昔話だ?誰の話だ?と、キーボードを叩く指先が止まり、思わず可愛らしい声に聞き入ってしまった日曜の午後である。
時々、幸せホルモンという異名を持つセロトニンの話に触れることがあるけれど、
文章などを声に出して読む音読も、セロトニンを増やすことができると言われている。
音読によってセロトニンが増えるということが分かったのは、近年になってからのことのようだけれど、
何かしらの文章を声に出して読むことは古くから行われており、人にとってとても身近な行為だったと言う。
セロトニンを分泌させるために効果的なことは多々あり、こちらでもご紹介させていただいているけれど、
その中にウォーキングや深呼吸などが含まれていることを覚えていらっしゃるだろうか。
これらの動作の共通点は、特段意識をしているわけではないけれど、
それぞれの動作が持つリズムに乗って行われているという点。
そして、セロトニンを分泌させたり、活性化させるスイッチは、
この、リズムに乗ることでオンにすることができると言われているのだ。
今回の主役である音読をリズムという視点で見てみると、
音読は、文字を目で追うため、目でリズムを刻んでいる。
更に、唇を動かしながら声を出すので、口の動きと呼吸でもリズムを刻んでいる。
そして、物語を声に出してスラスラと読むことができると、
目、唇、呼吸に加えて物語の流れにも乗ることができ、ここでもリズムを刻むことができるのだ。
これから、日が短くなりセロトニンの分泌のペースが落ちやすくなります。
季節の変わり目で知らぬ間に体に負担がかかっており、
普段だったら何でもないようなことに対して、気持ちを揺さぶられるということも。
ゆっくりと休息を取りたいと思っていても、楽しみたいこと、しなくてはいけないことが年末に向かって押し寄せてきます。
懐かしい絵本や、お気に入りの何かを1冊入手して、
「ひとりでこっそりと音読」でも良いですし、「お子さんと一緒に音読」でもいいと思うのです。
読書の秋を利用して、音読を楽しみながらセロトニンチャージ、いかがでしょうか。
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