アクセサリー売り場を歩いていると、特設されたであろうテーブルの上に、華やかなコサージュが並べられていた。
その種類の豊富さから、卒業式や謝恩会、入学式などの準備が始まる時期に突入したのだろうと思った。
これは私個人の好みの問題なのだけれど、正直に言うと、コサージュは少々苦手である。
それでも、フォーマルな場では、お作法としてコサージュが必要だと感じることもあるため、時々、売り場をのぞいている。
今回は、コサージュが持つ意味、身につける意味などのお話を少し、と思っております。
近々、コサージュを付ける機会があるという方、
私と同じようにコサージュは苦手だけれども、意味合いは知っておきたいという方を含め、
ご興味ありましたら、お付き合い下さいませ。
コサージュは、卒園式や卒業式、入園式や入学式、結婚式に発表会、その他お祝いの場で身に着ける花飾りですが、コサージュには2つの意味があります。
まずひとつめは、コサージュを付けることで、日常とは異なるフォーマルな場に出席していることを意味し、
ふたつめは、「あなたを(あなた方を)祝福します」という意味が含まれております。
コサージュは、古のフランスで貴婦人たちが小さなボトルに挿した生花を胸に付けて、
お祝いのパーティーへ出席したのが始まりなのだそう。
今のような技術が無かったため、胸元に小さなボトルをぶら下げるススタイルのコサージュだったようですが、
皆でお花を身に着けることで、パーティー会場に、祝福の気持ちと共に素敵な香りを漂わせ、
その場をより素敵な空間にする心配りだったと言います。
コサージュと言っても素材の種類が豊富な昨今ですので、中には生花で作ってもらうという方もいらっしゃるかと思います。
シチュエーションや立場によっては、生花のコサージュも可能ですが、
結婚式にお招きいただく側の場合は、生花のコサージュは花嫁の特権だと言われておりますので、参列者は造花タイプを選ぶのが良いとされています。
そして、コサージュを付ける位置は、右胸でも左胸でも構わないようですが、
フォーマルな場に出席している方々の様子を見ていますと、左胸に付ける方が多いことに気付かれるかと思います。
これは、人の視線は向かって右側に向く傾向が高いため、
相手の目に留まりやすい左側に付けることで、多くを語らずとも、お祝いの気持ちを相手に伝えることができるという見方や意図もあるようです。
以前、人の視線は向かって右側に向く傾向が高いため、メイクをする際には左側を意識しておくと良い、という話題に触れたことがありますが、同じ視点かと思います。
このような背景で生まれたコサージュですが、本来の意味は「あなたを(あなた方を)祝福します」です。
ここを抑えておきますと、どのような色、サイズ感、バランスのコサージュを選べばよいのか、自ずと判断が付くのではないかと思います。
自分に似合う、似合わない、好き、嫌など、感じることは人それぞれではありますが、
祝福する気持ちを表すアイテムとして、自分らしくコーディネートしてみてはいかがでしょうか。
すぐに使うことができる知識ではありませんが、大人のお作法ということで、
ここぞというシーンでは、記憶の片隅から引っ張り出してお役立ていただけましたら幸いです。
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