仕事の関係で久しぶりに天然石を扱う機会があった。
それらは、とてもカラフルなトルマリンだった。
トルマリンという石は、様々な成分が混ざり合ってできている石で、鉱物の中では最も多いカラーバリエーションを持っている。
透き通るように透明なもの、大人っぽい漆黒カラー、赤やピンク、ブルーにグリーン、
イエローからオレンジへのグラデーション、それら複数の色が混ざり合ったような不思議なカラーと幅広い。
そして、それぞれの色にトルマリンという名前以外の名が付けられている。
例えば、赤いトルマリンにはルベライトという名が、グリーンのトルマリンにはヴェルデライト、ブルーのトルマリンにはインディゴライトという具合に。
他にもピンクとグリーンが混ざりあったものには、美味しそうなウォーターメロントルマリンという名が付けられており、色だけでなく名前でも私たちを楽しませてくれる石である。
私は、全ての名を覚えているわけでないため、ジュエリーショップなどで聞きなれない石だと思って眺めていたらトルマリンだったということが割と多い。
このカラーバリエーションには先人たちも心奪われただろうと思う。
トルマリンという名の語源は、スリランカに住むある部族の言葉で「混ざった石」を表す「トルマリ」という言葉だと言われている。
そして、私がトルマリンに触れる際に真っ先に思い出すのは、古代エジプトで伝えられていたという、このような話である。
トルマリンは地球の地中深くから太陽に架かっている虹の橋を渡って、地球から太陽までを旅した石で、
この旅の途中で、虹の色がトルマリンに移ったため、トルマリンは鉱物の中で最も多いカラーバリエーションを持っているのだとか。
このような言い伝えがあるからなのか、トルマリンは様々な知恵を授けてくれると言われており、
インディアンたちは、大自然の力が宿っているトルマリンを聖なる閃きを与えてくれる石として、様々な儀式に使っていたそうだ。
このような素敵な言い伝えを持っているトルマリンは10月の誕生石の一つでもあり、健康や美容に良い石としても知られている。
これは、トルマリンが電気を帯びており、マイナスイオンを発生させ、周りの空気をきれいにし、心身のストレスを緩和すると言われているからである。
更に、石の性質から身体に害がある電磁波を防ぐ効果も期待できるそうで、近年ではスマートフォンやパソコンを使う機会が多い方への贈り物に選ばれることも多いと聞く。
トルマリンは、このような性質をもった石なので、和名は電気石(でんきせき)だ。
電気石という名はストレートすぎて、トルマリンが持っている魅力の全てを表現しきれていない気もするのだけれど、とても魅力的で素敵な石であることに変わりはない。
トルマリンを大切な方への贈り物として選ばれた際には、古代エジプトで伝えられていた、
「トルマリンは、地球の地中深くから太陽に架かっている虹の橋を渡って、地球から太陽までを旅した石で、トルマリンの色は、虹を渡って地球から太陽まで旅をした時に虹の色が移ったもの」
という、ちょっとワクワクするようなエピソードも添えて贈ってみてはいかがでしょうか。
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