ワインショップ内をぐるりと一周した。
お目当てのものを見つけることができず出口へ向かっていると、オレンジワインと書かれた小さなポップに目が留まった。
オレンジから作られたワインだろうかと近づくと、そこには赤、白、ロゼワインに続く第4のワインとして紹介されていた。
近年は、ブラックチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートに続く新種のチョコレートとして、艶やかなピンク色をしたルビーチョコレートが登場し話題になったけれど、ワインの世界にも変化が起きているようだ。
踵を返して、そのポップ近くへ向かっていると横からスッと素敵なご夫婦が現れ、「あって良かった」そう言ってオレンジワインを手に取り去っていった。
このような場面に遭遇すると、興味数値30レベルほどだった気持ちが、ぐーっと60レベルくらいにまで引き上げられてしまうのは人の性。
私も例に漏れることなく引き上げられた興味数値を胸に、オレンジワインとやらに近づいた。
本当にキレイなオレンジ色をしていたため、やはりオレンジで?と思ってしまったのだけれど、
オレンジワインは、白ブドウを使って赤ワインを造るような工程で造られた、白ワインと赤ワインの両方の要素を持ったワインなのだそうだ。
オレンジワインは、白ブドウを使っているのに白ワインとは異なる色をしているけれど、これは使う部位の違いだという。
白ワインは果肉のみを使っているけれど、オレンジワインは白ブドウの皮や種など丸ごと使うため、皮などに含まれている色素などが果汁に混ざりオレンジ色になるのだそう。
この製法は、西洋では古より造られてきた歴史ある製法で、ユネスコ無形文化遺産にも登録されているのだけれど、どうしてこのオレンジワインが第4のワインとして登場したのか。
これは近年、ワインも出来るだけ添加物を加えないナチュラルなものを好む人が増えたこともあり、
農薬や添加物をできるだけ使用せずにワインを造るにはどうしたら良いのかと考えた生産者が、辿り着いたところが古より造られていたオレンジワインだったのだそう。
私の周りには、ワインが好きだけれど酸化防止剤などの添加物が多く含まれているワインを飲むと頭痛が起きるという知人が数人いる。
オレンジワインなら大丈夫なのではないだろうかと思いショップの方に尋ねてみると、
出来るだけ添加物を加えないナチュラルワインを造っている方以外にもオレンジワインを造っている方は多いため、オレンジワイン=添加物を加えていないワインというわけではないと返ってきた。
やはり、「本物を見抜く力や、今の自分に必要なものを見抜く力は必要」ということのようだ。
暖かくなってきたこともあり、お花見やBBQなどの場でお酒を召し上がる機会もあるかもしれませんね。
お嫌いでなければ、古の製造方法からヒントを得た第4のワインを皆さんでお味見してみてはいかがでしょうか。
関連記事:
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/