ドラえもんのポケットの中から出てきそうなアイテムと遭遇した。
あれは一週間ほど前のことだ。
キャンディーポットの中身が底をつきかけていたことを思い出し、ハチミツ100%で作られたキャンディーを買いに売場へ向かった。
ズラリと並べられている商品を前に視線を泳がせているとミルキーの袋が目に留まった。
「(たまにはコレもいいな、しかし、これからの気候を思うと、包み紙越しに溶けたミルキーのベタベタを感じるのは避けたい。)」などと、どちらでも良い思いをひと通り巡らせた後、初志貫徹、ハチミツキャンディーへと手を伸ばした。
すると背後から「すみません」と声をかけられた。
キャンディーの袋に触れながら振り返ると「食べると暗記力が増すガムは、どこに売っていますか?」と尋ねられた。
ん?それはドラえもんに登場する暗記パンのことだろうか?口には出さなかったけれど、真っ先に思い浮かんだのはそのようなことだった。
状況を把握しきれていないことが相手に伝わったのか、その方は、「こちらの方たちが、食べると暗記力が増すガムを買って帰りたいそうなんです。」と説明してくれた。
こちらの方たちというのは、中国からの観光客だった。
さぁ、どこで買えるの?早く教えて!という期待に満ちた視線を浴び、妙なプレッシャーを感じたけれど期待に応えることは出来ず、私はその場を後にした。
ただ、何となく暗記パンならぬ暗記ガムが気になり、スマートフォンをのぞくと、「記憶力を維持するガム」というものが、“お口の恋人”というフレーズでお馴染みのロッテから発売されていた。
見たことがあったような、無いような……曖昧な印象を受けたこのガムは、中国の受験生たちからの人気が高く、多くの中国人観光客の方々が買い求めているのだとか。
ただ、このガムを良く見てみると「中高年向け」と印字されている。
そして実際に、受験に追われている「中高生」に効くかどうかは分からないという商品なのだそう。
それでも、このガムが中国の受験生たちの間で注目されているというのだから、中国の受験環境は、日本のニュース等で見聞きする以上にハードなものなのだろうと思った。
そもそも、中高年向けの記憶力を維持するガムとは何ぞや?である。
簡単に調べてみると、このガムにはイチョウの葉っぱから抽出した成分が含まれているという。
イチョウ葉エキスと記されたサプリメントなどを目にしたことがある方もいらっしゃるかと思うのだけれど、
イチョウ葉のエキスには、血の流れをスムースにする働きがあるため、体だけでなく脳内の血の巡りも良くなることから、
認知症の予防や改善をはじめとする脳の機能を健やかにする効果も期待されているのだそう。
そのような働きをお得意とするイチョウ葉エキスをガムで補給することで、物忘れに歯止めをかけて記憶力を維持する手助けになるのではという商品のようだ。
もしかしたら、サプリメントで摂るよりも咀嚼して味わうガムに混ぜ込むことで、咀嚼による脳への刺激も記憶力の維持にひと役買うという狙いがあるのかもしれない。
ガムの中身を知ると「暗記力が増すガム」ではないようだけれども、興味深い可能性を秘めたガムであるように見えた。
有難いことに今のところ、このガムの必要性を感じているわけではないのだけれど、
どこかで見かける機会があったときには、話のネタに知人や友人たちと味わってみようかしら、そのようなことを思った「記憶力を維持するガム」である。
ご興味ありましたら、ひと噛みいかがでしょうか。
※イチョウ葉エキスに対してアレルギーが出る方がいると聞いたことがあります。何かしらの食物アレルギーをお持ちの方はご注意下さい。
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