幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

人を芯から癒す空間にある香り。

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寝具売場の前を通ると、い草の香りがした。

い草の香りが持つ破壊力はこれほど強いものだっただろうかと思い返してしまうほど、全身の力がゆるゆると抜けていくのを感じた。

そして、あっという間に骨抜きにされてしまった私は、用事もないのに寝具売場に寄り道である。

用途別に取り揃えられた種類豊富な「い草マット」や、い草で仕立てられた畳枕などが置かれているその一角は、大自然に身を置いているような香りに包まれており、ちょっとした別世界のようでもあった。

剥き出しになっている商品はサンプル品のみで、その他のものは全て、丁寧に梱包してあったけれど、様々な素材の隙間を通り抜けて広がるその香りに、恐れ入ったと思った。

サンプル品を撫でると、優しい肌当たりと腰のある、しっかりとした感触が心地良く、このい草マットの上に寝ころんだなら、さぞかし心地よい眠りにつくことができるのだろうなと想像が膨らんだ。

近年、人をダメにするクッションなるものがあるけれど、い草アイテムも然りである。

この場でうっかり長居してしまいそうな自分にハッとし、その場を立ち去ろうとしたときだ。

い草の香り成分について書かれたボードが目に留まった。

そこには、円グラフで香り成分が示されていたのだけれど、い草の香り成分の中で最も多いものは、フィトンチッドだとあった。

以前、森林の香りの話題で触れたことがあるフィトンチッドだ。

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フィトンチッドは、草木自身が自分の身を森に棲む様々な微生物から守るために発散している物質で、防虫や殺菌、空気を清浄にする作用などマルチに働く成分なのだけれど、

ヒトに対しては自律神経を安定させてリラックス効果や安心感を促す香りとして作用すると言われている。

私は、森の香りとい草の香りは別物だと感じていたのだけれど、人は本能で自分に必要な香りを成分レベルで嗅ぎ分けているという話は、こういうことかと腑に妙に落ちた。

自宅に和室を設けるご家庭が年々減っていると聞くけれど、い草アイテムを取り入れることでフィトンチッド浴によるストレス緩和や疲労改善、健やかな睡眠などを手に入れることができるということなのかもしれない。

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夏の帰省中に、畳などのい草アイテムに触れる機会がありました際には、室内でも思いっきりフィトンチッド浴をご堪能くださいませ。

香りが、日頃の疲れや夏の疲れを和らげる手助けをしてくれるかもしれません。

「癒し空間にフィトンチッドあり」と言っても良いのではないだろうか、という思いがざわつき始めた立秋である。

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