幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

稲妻のパートナーは誰?

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急に、地面を叩きつけるような強い雨が降り出した。

その大きな音が気になってリビングの窓のそばへ行くと、いつも目にしている建物や植物の一切合切が真っ白なベールで覆い隠されていた。

ゴロゴロと鳴り始めた雷とヒューヒューと音を立てながら吹く風に耳を傾けながら、何も見えない真っ白な景色を眺めていると、空にピカピカッと稲妻が走った。

絵に描いたようなギザギザ具合に、おっかなさは一瞬にしてどこかへ吹き飛んで、思わず子どものようにニヤケてしまった。

久しぶりに見た立派な稲妻を見たものだから、もう一度という気持ちで外を眺めていると、その後も数回、異なる長さの稲妻が空に現れた。

辺りがピカッと明るくなった直後に、空が割れるのではないだろうかと思うほどのゴロゴロという雷音は、さすがに少し怖いと思った。

稲妻は、もともとは「稲夫」と書いていたそうなのだけれど、いつの時代か、誰が発端なのか、「稲妻」と誤った表記が定着したものだと、何かの本で読んだことがある。

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稲妻は雨と関わりが深いけれど、先人たちは、雨が降り、雷が多い年は稲がしっかりと実ることを経験で知っていたのだそう。

そして、この経験から、「稲が雷の光を浴びると妊娠して子を宿す=稲が実る」と考えられるようになり、稲(奥さん)の配偶者である夫(つま)を雷とし、稲夫(いなづま)と呼ぶように。

「妻」も「つま」と読むことができるけれど、古語では「夫」も「つま」と読むことができるため、稲夫(いなづま)と。

農作物のことを全てプロにお任せしてしまっている人がほとんどである昨今、稲夫、稲妻という字を見てもその語源を推測できる人は少ないのだろうけれど、とても面白い発想だと思う。

そして、この稲の実りには雨だけでなく雷の放電がとても重要な役割を果たしているのだとか。

私の今の知識では十分な説明はできないのだけれど、簡単に言うならば、

空中で雷がピカピカッと放電するとき、空中では何かしらの化学変化が起きており、その化学変化でできた成分は天然の栄養がギュッと詰まった肥料のようなもので、

これが雨と共に植物たちに届けられることで稲がしっかり実ったり、植物がイキイキと育ったりするそうだ。

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そのようなことを思い出しながら、時折、激しく鳴り響く雷の音にビクッとしつつ、美しく光る稲妻を鑑賞した。

そして、今年も美味しいお米をいただけそうだと再びニヤリ。

そうしていると、雨風が少しずつ静まって、風に流された激しい雨によって汚れを洗い流されたベランダに太陽の光が差し込んできた。

ベランダ掃除を1回スキップできるかしら?とズボラな考えとともに、自然の力に感謝しきりの午後である。

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