幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

目覚まし機能を備えた春雷って?

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暖かい日、寒い日、パラパラと雨が降る日があったりもする、寒暖差激しいこの頃だけれども、ひと雨ごとに春が濃くなっているような気がして、季節が移り変わっていく過程はいいものだと思う。

その日は、立ち寄った書店で本を捲っていると「春雷(しゅんらい)」という言葉に目が留まった。

春雷(しゅんらい)とは、今頃から5月辺りに鳴る雷のことで、春の訪れを知らせる雷だと言われている。

また、春雷(しゅんらい)には、冬眠中の虫たちに目覚めのタイミングを知らせる役割があるそうで、別名「虫出しの雷」「虫出し」とも呼ばれている。

ぼんやりと冬眠中の動物や虫たちは寝坊したりしないのだろうかと思ったことがあったけれど、冬眠している虫たちが寝坊せずに春本番の少し前に目覚めることができるのは、

彼らの体内時計の正確さもあるのだろうけれど、春雷(しゅんらい)という名の目覚まし時計のおかげでもあると知り、自然の完璧さに関心したことがある。

しかし、一番は春雷(しゅんらい)という言葉の響きだろうか。

どことなく風情を感じられるこの響きと春の様々な混ざり合い、何とも言えぬ気持ちになるのだ。

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いつだったか、このような気持ちを知人に吐露したことがあったのだけれど、知人から返ってきたリアクションは、実際の春雷(しゅんらい)は、それほど甘くはないよというものだった。

知人から教えてもらった専門的な話はできないけれど、柊希流にざっくりと要約すると、雷と言えば夏の風物詩のような印象があるけれど、春雷(しゅんらい)は夏のそれとは異なる生まれからをしており、雹(ひょう)を降らせやすいという特徴があるという。

雹(ひょう)は、「あられ」と呼ばれる小さな氷の粒が雲の上で大きくなり、空に浮いていられないほどの重さになったときに地上に向けて落ちてくるアレ。

夏であれば、空中の気温によって溶けてしまうため、氷の塊が地上に落ちてくることはないけれど、春雷(しゅんらい)の頃は、夏の頃ほど気温が高くないため溶けずに落ちてくることが多いという。

しかも、雲の上も空中も気温が低いため、大きな雹(ひょう)が出来上がることも多く、農作物をダメにしてしまったり、自動車などを傷つけてしまったり、人に怪我を負わせてしまうことなどもあり、風情云々に浸っていられるほど甘くないという話であった。

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そのようなことを耳にすれば、確かに悩ましい知らせでもあると思うけれど、春の穏やかさと雷の荒々しさのギャップがそう思わせるのか、私にとっては今も変わらず、この時季の風情ある言葉の一つである。

そう言えば、「春雷(しゅんらい)が多い年の夏は気温が上がり、日照りが続く」などと言われているけれど、今年の夏は如何に!?

春雷(しゅんらい)が、ゴロゴロピカリッと鳴った時には、今回のお話の何かしらを思い出していただけましたら幸いです。

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