冷蔵庫内をザッと掃除して清々しい気持ちで庫内を見回した。
目立つ場所を陣取っていたのは、パッケージの雰囲気とプレーンかつローカロリーであるという理由で選んだヨーグルトである。
改めて手に取ってみると、腸内を整えてくれそうな菌の名がズラリと並んでいた。
菌の名を見聞きしたところで働きまでは分からないのだけれど、こうしてアピールされると体に良さそうな気がして、つい手に取ってしまう私は、販売会社の術中にいとも簡単にはまってしまっているように思う。
腸内を整えてくれそうな菌と言えば、昨今の遺伝子研究の進歩によって、腸内環境が健康を左右するという話を至る所で見聞きするようになった。
しかも、腸は第二の脳だとも言われている。
初めて聞いた時には、腸が脳だなんて訳が分からないと思ったけれど、腸にある神経細胞は神経を介して脳と繋がっていると聞き、腸が第二の脳と呼ばれていることをザックリと理解したように記憶している。
後に、腸はホルモンを介して脳とコミュニケーションをとっているとも知ったのだけれど、やはり人体は謎だらけで訳が分からないと思った。
私の感想はさておき、腸と脳はこのように密接に繋がっているからなのか、研究者の方々の中で食の好みは腸が決めているのではないか?という仮説があるという。
その仮説を簡単にまとめると、こう。
私たちのお腹の中にいる腸内細菌と呼ばれるものたちは、私たちの体内で生きている。
生きているということは、生き続けるために食事(=栄養)が必要になるのだけれど、腸内細菌にとっての食事(=栄養)は、炭水化物などに含まれているブドウ糖なのだそう。
しかしブドウ糖の多くは小腸で吸収されてしまうため、多くの腸内細菌が住処にしている大腸まで届く食事(=栄養)はとても少ないという。
だから腸内細菌たちは、小腸で消化吸収されない食物繊維の中に含まれているブドウ糖を食事(=栄養)としているのだそう。
しかし、誰もが食物繊維を欠かさず摂ってくれるわけではないため、腸内最近のバランスが崩れ、便秘や肌トラブル、アレルギーやその他の不調を招くきっかけになってしまうという。
腸内細菌は誰もが同じ最近を同じ数だけ持っているわけではなく、人それぞれ種類も数も異なっている。
ゆえに、腸内にいる菌によって栄養の好みが異なり、これが食の好みに関係しているのではないだろうかとみている研究者がいるというのだ。
この話題に触れるとき、海外旅行が例に挙げられていることが多い。
日本人の多くは、長期間、海外に滞在していると日本食を食べたくなったり、生野菜のサラダを食べたくなる傾向にあるという。
これは、海外の食生活で腸内細菌の種類やその数のバランスに変化が起き、この状況をもとに戻そうと腸と脳が連絡を取り合い、「日本食や野菜を食べたい」という欲求を使って体の主にサインを出しているのではないかというのだ。
この研究は今も続けられており、これは仮説段階の話のようなのだけれど、無性に何かを食べたくなるときというのは体に不足しているな栄養を知らせてくれているサインだという話もあるし、私たちの体は、私たちが口にしたもので作られているので、
良くも悪くも、無意識に腸内からのサインを受け取って食事を決めていることがあっても不思議ではないように思う。
ただ、これだけ飽食の時代である。
悪玉菌が優勢になっていることもあるだろう。
このようなときには、悪玉菌の声がサインとして届きやすくなるため、自分の体から発せられた本当の声を、どれだけの人が聞くことができているのかは謎である。
自宅で食事をする機会が増えているこの機会を使って、体質改善や体内メンテナンスのポイントでもある腸活を意識してみるのも良いように思う。
これまで加工食品や高カロリーの食事が多かった方や、食事会や飲み会が多かった方は、シンプルな和食の日を設けて翌日の体調の変化を観察することからはじめて、
和食や様々な発酵食品で腸内環境を整えることを意識するなどして、健やかなスリムボディーの土台を作ってみてはいかがでしょうか。
自分視点の豊かさ探しのひとつとして、何かしらの健やかさのヒントにしていただけましたら幸いです。
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