明日は友人、知人、複数人の誕生日である。
年に数日、複数人の誕生日が重なる日があるのだけれど、4月8日はお釈迦様が生まれた日だと言われていることもあり、忘れることなくお祝いメッセージを届けることができているように思う。
聞くところによると、お釈迦様の誕生日に関する情報は残っていないようなのだけれど、日本では4月8日をお釈迦様の誕生日とし、一部のお寺では「灌仏会(かんぶつえ)」と呼ばれるお祝い行事が行われている。
この「灌仏会(かんぶつえ)」は「花祭り」と呼ばれることもあり、お寺の掲示板や駅、観光案内所などでお花に囲まれたお釈迦様のポスターを目にしたことがある方もいらっしゃるのではないだろうか。
新年度を迎えて間もない頃ということもあり、私は未だにタイミングが合わず、灌仏会(かんぶつえ)を実際に経験したことはないのだけれど、この行事、お釈迦様の頭上から甘茶をかけるという、風変りなものなのである。
補足すると、境内に季節の花で飾られた花御堂と呼ばれる小さなお堂が設けられ、その中央には、右手を天に向け、左手を地に向けているお釈迦様の像が置かれるのだ。
そして、そのお釈迦様の周りには甘茶という紫陽花のお茶が注がれるのだけれど、このお茶は、その名の通りお砂糖を入れたような甘さを感じるお茶だという。
通常のお砂糖の100倍以上も甘いお茶だけれど、紫陽花には毒が含まれているため、甘茶は濃く淹れずに、多めのお湯で煮出すか薄めるかして飲むものだという。
扱い方を間違わなければ、胃や腸の機能を改善させたり、血の巡りをスムースにしたりと様々な症状を緩和するお茶のようなので、古では漢方のような使われ方をしていたのだろうと思う。
お釈迦様の周りにひたひたに注がれている甘茶を柄杓で掬って、お釈迦様の頭上からかけるわけなのだけれど、
これは、お釈迦様が誕生したときに、9頭の龍が空から清浄の水を注ぎ、この水を産湯として使わせたという言い伝えをもとに再現しているようである。
灌仏会(かんぶつえ)は、仏教の系統と言うのか、宗派と言うのか、限られたお寺でのみ行われているのだけれど、参加させていただけることが多いと聞く。
そして、この日の寺院では甘茶を振る舞うこともあるようなのだけれど、この甘茶には、甘茶を飲むと病気をしない、甘茶を目につけると目の病が治癒する、甘茶で墨をすって習字をすると達筆になる、赤ちゃんの頭を甘茶を付けると健康に育つといったご利益があるそうだ。
他にも、甘茶で擦った墨を使って、とある呪文を書き記して逆さまにした状態で家屋の柱に貼れば、害虫除けになるという話も残っている。
※調べてみましたところ、呪文は「千早振る卯月八日は吉日よ神下げ虫を成敗ぞする」だとか。
例年通りであれば、お花見も兼ねて「灌仏会(かんぶつえ)」「花祭り」が行われているお寺へ足を運んでみては……とおすすめしているところなのですが、このご時世ですので、
明日のニュースなどで、お花に囲まれたお釈迦様の頭上からに甘茶をかけている映像を目にした折には、「あぁ、これのことか」と今回のお話をちらりと思い出していただけましたら幸いです。
私も、甘茶の味を想像しつつ、お釈迦様と友人、知人の誕生日を自宅から祝おうと思っております。
本日も、心穏やかな1日となりますように☆彡
関連記事:
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/