パソコンに向かっていたら頭が前方へガクンと大きく傾いた。
これだけで済めばよかったのだけれど、半ば寝ぼけた状態のまま頭を起こす際に、右手に握っていた油性ペンが左袖辺りをスッとなぞったような感覚と共に、意識が完全に目覚めたのである。
その感覚辺りに視線を向けると、迷いなく引かれたことが分かる潔いラインがしっかりと残されていた。
やってしまった。
真っ白いシャツの袖に油性ペンの真っ赤なラインである。
どこからどう見てもオシャレには見えない真っ赤なラインを消してしまわなくてはと、眠気覚ましも兼ねて洗面所へ向かった。
油性ペンを落とす方法はいくつかあり、過去記事内でも触れたことがあるのだけれど、油性ペンが付いた対象物によって使うアイテムを変えると、ダメージを無かったことにすることができるのだ。
今回は、お洋服や布についてしまったときの対処法をシェアさせていただければと思っております。
私のようなうっかりシチュエーション以外にも、小さなお子さんが油性ペンでお絵かきをしている最中にお洋服にペン先を当ててしまったり、
大人でも知らぬ間にキャップが開いてしまっていて衣類にインクを付けてしまったりということがありますが、このようなときには無水エタノールやオイルタイプのメイククレンジングなどで落とすことができます。
幸せのレシピ集内では無水エタノールが度々登場しておりますが、無水エタノールを使って消毒液を作る方法を2月頃にシェアしましたので、無水エタノールを購入した方もいらっしゃるかと思いますので、今回はこちらを。
しばらくは消毒ライフが続きそうなので無水エタノールを余らせてしまうというようなことは無いようにも思うのですが、こちらのアイテムは衣類や布に付けてしまった油性ペン落としにも使用できます。
油性ペンのインクは、油を溶かす溶剤に色素を混ぜて作られているため、油性ペンのインクを落とすには、油を溶かしたり中和させることができる油かアルコールを使用するとインク汚れが落ちやすいと言われています。
まずは、衣類の目立たない場所に無水エタノールを少量付けて色が褪せたり、生地に異変が起きないか確認し、問題がなければ、
【1】汚れても良いタオルの上に油性インクが付いた衣類を置き、油性インク部分に無水エタノールをたっぷりと含ませた布でトントンと叩いてインクを溶かし取ります。
キッチンのお掃除に使用するようなアルコールスプレーは、キッチンの油汚れにスプレーすると油汚れを浮き上がらせて、お掃除を楽にする効果がありますけれど、あれと同じことが起こるイメージです。
お洋服にインクをつけてしまった後、できるだけ速やかにこの処置を行えば、これだけでスッキリと落ちてしまうこともあるのですが、
目には見えないインク汚れが繊維の中に残っていたり、布地の素材や様々な条件によって落ち具合が変わってきますので、無水エタノールである程度のインクを落としたら、
【2】その部分を軽く濡らして、今度は食器用専用洗剤(中性洗剤)を指先に取り、そこに少量の水を加えて練った薄めの洗剤液を生地に塗り、生地を傷めないような力加減で布を擦り合わせてインク汚れを浮き上がらせて、水ですすぎます。
【3】あとは、通常のお洗濯を行えば完了です。
私は、用途別に作られたものを使い分けることで得られる安心感や手軽さも好きなのですが、使い手が工夫をしたり、少しの手間を加えるだけで用途の幅が広がるようなものも同じように好みます。
限られた用途用に作られた特定のものばかりに頼りすぎてしまうと、その特定のものが手に入らない状況に陥った時、焦ったり不安になったりすることもあるかと思います。
このようなときにアレンジが効き、普段以上の力を発揮してくれるものは、シンプルなものや、昔からあるもの、どのような状況でも手に入りやすいものだったりもしますので、
無水エタノールをお持ちの方で、油性ペントラブルが起きた折には、ものは試しに活用させてみてはいかがでしょうか。
知識や経験は、これから先の知恵として自分の中に定着するように思います。
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